小説 | ナノ



「制裁してたのはあいつらなのに俺の独断とか言ってさー。マジ意味不明っての。」

責めるでもなく、遠い目をして投げやりな口調で新崎は言った。どうやら責任は新崎1人に押し付けられたようだ。

会長はもじゃ男にベタ惚れだから親衛隊に制裁されたら当然怒る。しかし親衛隊は新崎が原因として隊長を辞めさせることで会長の怒りを抑えたのだろう。

そして今まで親衛隊隊長という肩書きに守られていたが退任させられたことで後ろ楯が無くなり、小柄で女顔の新崎は襲われやすくなった、と。

本当に男は怖いな。女の子最高。

「お顔がよろしいと大変ね。」

桜香では顔が良い奴は肩書きや親衛隊を持たされいろいろと面倒だと改めて思った。俺は早々に生徒会を辞めさせられて良かった。

「桐矢も顔だけは良いだろ。女好きの最低男らしいけど。」
「まぁね。」

でもこの顔のおかげで女の子がたくさん寄ってきてくれるしありがたいよ。

そんな俺に新崎は「噂通りか。」といたずらっぽく笑った。

俺がそんなに噂になっているとは思っていないのだが…。学園滞在期間が短いので影は薄い方だと思っている。

「新崎は噂とは違うのなー。」



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