小説 | ナノ


話してみると思いのほか顔に似合わず男気溢れる喋り方をしていた。甘えた女の子のように喋る他の奴らよりかは良い。

「何はともあれ感謝。ありがとう。」

新崎は笑って言った。今まで新崎の話しているところはおろか、声すら聞いたことが無くいつも無表情で誰も近付けないオーラを出していた。浮いているという点では俺と同類だった。

「何でお前が狙われてるんだよ。」

俺は終始疑問に思っていて、俺がこんな不幸にあってしまった原因について尋ねる。

新崎が浮いている大きな理由は生徒会長の親衛隊隊長ということだった。その肩書きにより新崎に手を出すような奴はいなかったはずだ。

「隊長は辞めた。というより辞めさせられたんだよ。」

新崎は事もなげに言った。

「桐矢はいなかったから知らないだろうけどな、俺は鈴代転校生の制裁の責任をとらされて辞めさせられたんだよ。」

マジかよ。もじゃ男の影響はこんなところまであったとは。

ここまでくるともじゃ男の影響力が怖い。生徒会役員や親衛隊などこの学園の権力者がもじゃ男という1人の男によって日常を激変させられたのか。


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