小説 | ナノ


「…俺は真剣に落ち込んでいるんだ。飲まず食わず眠らずで…。」
「バッカかお前はっ!ハハハッ!あー、腹痛ぇっ!ハハッ!」

宮下はしばらくずっと笑っていた。俺はそれをブスッとした顔で睨む。

人が相談してるのに爆笑しやがって…。

ようやく落ち着いた宮下は涙目になって俺に向き直り言った。

「そんな落ち込むなよ。お前なら女つくることなんて余裕だろ?」
「自信なくなってきたんだよー。」

昔ならすぐに街に行って新しい女の子に夢中になれていたが、街に出られるのは三週間後だ。

気を紛らわすものもない。

「じゃあ、今度は男「絶対嫌だ。」

冗談で言った宮下に俺は即答で拒否をする。この世には可愛い女の子がいるのに、この学園に男しかいないからって女の子を見捨てるような真似は出来ない。

というか俺が嫌だ。だって可愛くないし。可愛く着飾ったって男である時点でアウト、お疲れ。

「ま、少しの我慢だろ。夏休みになったら思いっきり遊んで来い。」
「んー…。」

その夏休みまでが辛いんだけどね。宮下がそう言うならちょっとは我慢してみようかな。


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