小説 | ナノ


由井の話を聞いていると、その転校生、鈴代真灯留に生徒会役員をはじめ、親衛隊持ちのイケメンがめろめろらしい。

何であんなもじゃもじゃに…。この学園のイケメンは趣味悪いらしい。もじゃ男が何で逆ハーレム築いているんだよ。気持ち悪い。

俺もつい最近までハーレム的な……この話はやめよう。

「更に言うと生徒会役員は鈴代に夢中で仕事を放棄する有様だ。」
「へー…。」

あいつらが仕事をしなくなる日が来るなんてな。

恋は盲目って奴か。それほどの魅力がもじゃ男のどこにあるのだろうか。最も、男である時点で魅力はないけど。

「俺もお前に聞きたいことがあるんだが。」
「何。」
「何で今になって帰って来たんだ。」
「…宮下か理事長にでも聞けば。」

自分で説明するのは面倒だ。適当に返す俺に由井は納得しない様子である。

あ、後で宮下のところへ行こう。

由井によって手配された日替わり定食を食べてお腹を満たした。6時間程寝ていたようだ、今は午後2時である。宮下はまだ授業だろうからもう少し寝よう。

寝る、と言えば由井は静かに立ち去ってくれた。



prevnext