小説 | ナノ


あのもじゃもじゃは誰だ?学園にはあまり居なかったけどあんな強烈な奴いたら知っているはずだ。何で生徒会役員達までここにいるんだ?しかももじゃもじゃと親しそうだ。不良の羽根や同室者三寺まで。全員親衛隊持ちだ。

何かおかしい。俺が居ない間この学園に何があった?

あれこれ考えているとようやく静かになった。由井が追い払ったようだ。

そして由井が疲れた表情のままカーテンを開き入って来た。

「桐矢、何が食べたい。」
「…美味しいのなら何でも。」

はぁっとため息をつく由井。そういうのが一番困るんだとでも言いたそうだ。

由井は保健室の電話から電話をかけ、しばらくして再び戻って来た。

「とりあえず日替わり定食した。」
「ん。」

ひたすらお腹すいているから何でもいいわ。それより、

「あいつ誰。」

俺は由井に問い掛ける。必要以上に素っ気なく言ってしまったような。

そんな俺に気にすることもなく上手い具合に察して由井は答えた。

「鈴代真灯留。お前は居なかったが先月この学園に転校してきた。因みに理事長の甥だ。」

転校生…。そういえば宮下が言いかけていたような。また面倒な奴が来たな。



prevnext