小説 | ナノ
事情聴取?俺が何で怪我したかとか?何でだっけ、と思い記憶を辿っていくと、
……そうだ。この黒いもじゃもじゃに引っ張られて机に突っ込んで気を失ったんだ。
何で俺がこんな目に…。というか何でこの黒いもじゃもじゃは俺を引っ張ったのさ。これだから男は…。野蛮な。
「別に良い。お腹すき過ぎて死にそう。」
「…何?」
「昨日から何も食べていない。」
事情聴取なんてしなくていい。もうどうでも良いから早く解放して。そんな俺の願いは届かず由井は考え込んでから、
「飯は持って来させる。怪我人はここにいろ。」
思わず舌打ちしそうになった。俺はここにいたくないんだよ…。1人になりたい。
「じゃあ皆で一緒にここで食べようぜ!」
「却下だ。桐矢以外風紀室に行っていろ。他の役員に事情聴取させる。」
「あ゛?風紀が俺らに命令するな。」
「何故怪我人じゃないのに保健室で飯を食うのだ?そんな常識もわからなくなったのか会長様は。」
「隆明!そんなこと言うなよ!」
…うるさいな…。俺はイライラしながらさっきのベッドに潜り込んだ。
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