小説 | ナノ


「おい蓮!俺を無視すんなよっ!!」

寮に戻ろう。こんなところに居るより1人でいたい。やっぱり俺にここは合っていない。せっかくだからと教室に来た俺が馬鹿だった。

理事長は寮生活を送れ、と言っていた。授業にちゃんと出ろ、とは言っていない。屁理屈だと思うけどこの学校はサボり魔だらけだから特に問題はないだろう。部屋に帰って寝よう。体力の限界だ。おぼつかない足で歩き出そうとした時、

「蓮ってば!!!」
「うわっ!」

勢いよく手首を引っ張られ、力が入らない身体は思いっきり後ろに転んだ。

ガシャァァァァァ

「キャァァァァ!!!」

机に上半身のほとんどを打ち付け鈍い痛みが襲う。

痛い痛い痛い…。

「れ、蓮っ!何やってんだよ!」

誰かの焦った声と悲鳴が頭に響いて気持ち悪い。痛いし眠いしお腹空いたし痛いし…。…眠い。

ふっと意識が飛んだ。




「――!だって―――!―――悪くないっ。」

口論するような声で俺は目を覚ました。目覚め悪い…。

「蓮が無視するから!」

何?俺のこと言ってる?まぁ良いや。お腹空いた。昨日からずっと何も食べてない。死にそうだ。



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