小説 | ナノ


邪魔なのか、そうか邪魔なのか。女の子9人にフられた俺は邪魔で要らないのか。

いつもならただウザいと思ってスルーするのだが、俺はだいぶ自虐的になっているようだ。無言でふらふらと立ち上がって俺は自分の部屋へと入った。

途中で同室者三寺に「お、おい…。」と戸惑いながら声をかけられたが残念ながらそんな余裕はない。傷心中の俺を今まで通り放っておいてくれよ。

部屋に入っても隅の方でさっきと同じ状態を再開した。そういえば朝から何も食べていない。今日は忙しかったからな。しかし食欲もなく、ただ女の子のことで思考が占領される。

街に居れば女の子なんてすぐ捕まえられた。だが、状況が変わった。女の子なんて1人もいない、興味もない男ばかりだ。男に興味がなさすぎて友達もいない。声をかけられても素っ気なく答えるから自然と人は離れていった。話す相手といえば宮下のみ。

つまらない。

今は7月初旬。夏休みまでは3週間だ。3週間過ごせばまた街に出られるのだが、それが長い。

苦痛だ。



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