小説 | ナノ


俺は寮の部屋に帰り、部屋まで行く気力がなく玄関からすぐのリビングの隅に体育座りでうずくまった。

同室者は帰って来ていないのだろう。リビングは暗い。そんな中俺は、

「…っ。っう…。…。」

静かに静かに泣いた。

結果を言うと、9人に今日の旨を伝えたのだが、全員に別れを告げられた。

普通の人なら「離れてても私達赤い糸で繋がってるから!」とか言って遠距離で頑張るんだろうけど、俺は信用がないのだ。彼女が複数いることを知っているコや浮気でいざこざがあったコばかりなのだ。揃いも揃って「離れる為の言い訳ね。」とか言って一方的に話を切り上げられてしまった。

肝心の束縛彼女伶奈はというと、

「蓮君に捨てられるくらいなら死んだ方が良いわ!私今日死ぬからっ!!ブツッ」

と電話を切られた。それから何度も電話をかけたのに繋がらない。まさか本当に……。考えると身震いがしたので考えないようにした。

フられるのは慣れてるけど9人連続なんて酷いや…。どうして皆信じてくれないんだ…。皆のことが大好きなのに…。

しばらくその場で感傷に浸っているとドアがガチャッと開いた。同室者が帰って来たようだ。



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