小説 | ナノ
「桐矢君、私は今まで君のことを大目に見てきたんだよ。君がどれだけ街へ出かけても咎めはしなかった。成績に問題はなかったしね。」
そうだ。俺は今までいくら学園から抜け出しても先生も理事長も何も言わなかった。
最初は宮下に理由を聞かれたが、話せば笑いとばしていたし、1、2週間いなくなることくらい普通になっていったのだ。
「でも今回は何?3ヶ月だよ3ヶ月。浮気がバレなかったらどうなっていたか。」
「は、はは…。」
「笑うところじゃない。」
何も返すことがなく、渇いた笑いをすると無表情で一発叱られた。
しかしすぐにまたニコニコとした笑顔になり話し始める。
「知ってると思うけどこの学園は名門でしょ?あんまり桜香の生徒らしくないことされると困るんだよね。ここまで来ると退学も考えなきゃいけないんだけど、」
退学っ!?
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