小説 | ナノ
何事かと思ったらいきなり後ろから腕が俺の脇の下に伸びてがっちりと俺の両肩を固定した。
見れば2人の黒スーツの男が左右で俺を押さえていた。
「え、何?何なの?」
動揺する俺に右の男が冷えた声で言い放った。
「理事長がお呼びだ。」
「りっ…!」
理事長…!何か嫌な予感しかしない…。俺は今更ながら逃げようと暴れるが男達は俺を引き摺って理事長室へと連行した。
離れていく宮下が「あーあ。」とにやけながら呟いていた。
理事長室に無理矢理連行された俺は着くなり今まで学園に来ていなかった理由やら戻って来た理由やら全てを吐かされた。
「で、3ヶ月ぶりに学園に戻って来たわけだね、桐矢君。」
俺の話が終わると理事長はニコニコ笑いながら言った。顔は笑っているが、完全に怒っている。
この学園の理事長は38才と若い。しかも大人の色気を感じる綺麗な顔をして生徒にも人気があるのだ。ホモ的に。
そんな理事長は宥めるように優しく諭すように話し始めた。
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