小説 | ナノ


「何かあったのか?だいたい予想はつくが。」
「わかる?さっすが。うん、浮気バレたんだ。」

俺が言うと宮下はやっぱりか、とでも言うように呆れた顔をした。

同族の宮下はよくわかっているなー。

「お前が戻って来るときってだいたい浮気がバレて逃げてきたときだけだろ。」
「そうだけどね、今回はわりとヤバいかなー、」



俺は今朝のキスプリの出来事を説明した。

しかし、これはそんな簡単な話ではなかった。

普通、これくらいのことなら元カノだと言えば済む。そういうのを割り切って付き合っている彼女もいる。しかしメール主の彼女は一筋縄ではいかない。

彼女は良いトコのお嬢様で俺に一途で健気、ちょっと面倒なところもあるけど可愛いコだった。面倒というのは束縛が激しいということである。

毎日会いたいという彼女とは彼女の学校帰り、毎日デートをしなければならなかった。平日の午前から彼女の下校時間までは違う彼女と遊び、夕方はその彼女と遊ぶという生活を送っていた。無論、土日も全て彼女に捧げた。

そのせいで俺は3ヶ月も桜香学園に戻れなかった。でも桜香学園は嫌いだったし、彼女のことが好きだったからそれで良かった。



prevnext