dolce log&take | ナノ



朝御飯はなくなりました



きちんと寝癖も服も整えてまだ寝静まる廊下を歩く。 円堂くんはきっと風丸くんに起こされるんだなと思いつつ、合宿所の奥の右突き当たり。当然合宿所の部屋は個々に鍵なんかついているわけないからガチャリとノックもせずにドアを開けた。中にはこんもりと膨らむ布団がひとつ、

「おはよう、緑川!!」
「ん〜…、?」

窓を開ければ今日も清々しいほどの晴天だ。風が髪をくすぐり、ベッドの端から出ている緑色の細い髪の毛もゆらゆら揺れた。
 
「なん…だ、ひろとか…。じゃ、寝る…」
「駄目だよ!朝御飯壁山くんに全部食べられちゃうよ、」

朝御飯は戦場だ。いつのまにかご飯もお味噌汁も野菜炒めもすべて壁山くんの胃袋に吸い込まれてしまう。まるで四次元胃袋だ。


「それはいや…」
「じゃあ、起きよっか。」
「あとごふん…」

あー、やっぱり来たか。お日様園時代からだけれど、緑川はとても朝が弱い。あと5分、そう言って放っておいたら平然と昼過ぎまで寝ていたこともあるから流されてはいけない。そう思っているのに毎日5分延ばしてしまうのはちょっと内緒。 ベッドの縁に腰掛け、布団の上から緑川の頭を撫でる。そうすると少しだけこっちに寄って来るのが分かってまた優しく頭を撫でた。

デジタル時計の示す時間はきっかりと5分後。そろそろみんな起きる時間だ。あ、隣は立向居くんが綱海くんを起こしてるみたいだね。仲良しだなあ、

「緑川ー、5分たったよー」
「あとじゅっぷん…」
「…延びてるし。」

布団の中からモゴモゴと滑舌の悪い声は10分、15分と時間を延ばしていく。その声すらもだんだん小さくなって、これはまた眠ってしまいそうなんだと分かった。これは本気で朝御飯食べれなくなる。

「あー、もう!」

恥ずかしいけれど、この寝ぼすけを起こす手段はただ一つ。コホンとひとつ咳をして今日も声の調子は良好だ。布団の中の耳に口を近づけ、髪を指に絡めながら低い声で囁いた。

「リュウジ、起きないと襲っちゃうよ?」

「…っ、?〜〜〜〜っ!?」

少し時間がたったあと声にならない悲鳴がすぐそばで聞こえて反射的に引いた体の隣でバサリと布団が跳ねた。耳を押さえた真っ赤な緑川が恨めしげな目でじとりとこちらを睨んできた。あ、髪ほどいてて女の子みたいだね。可愛い。

「おはよう、みどりか」
わ、と口に出そうとした瞬間殴られた拳はすごく理不尽。

「普通に起こせヒロトの馬鹿あああああ!!!」






ARMONIOSO様との相互小説。
たまには甘々を書いてみようとして華麗に失敗する代表例。何気に円風とか綱立とか登場しているのは趣味でs(殴
部屋の場所とかは捏造!緑川を起こすのはヒロトで良いと思うよ!早く結婚してくれ← こんなぐでんぐでんの小説でごめんなさい。あといつもありがとうございます!
相互マジで感謝!
あきのでした。










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「Weiss?」のあきのさまより当サイトと相互記念という事で、恐れ多くも頂いた物です!
素敵な朝のひと時を過ごす基緑を頂いちゃいました。基緑なのに綱立も円風も捩じ込んで頂いちゃって、まさに俺得小説です!ありがとうございます^///^
ご本人いわく「砂糖30杯くらいの甘さ」らしいのですが、私には程よい甘さに感じられました。つまり、私の甘さの基準が半田半端無く高いみたいです…自覚ないとはこれいかに…
私も、二人早く結婚してくれと切に願うばかりです…!

転載許可も頂いたのでここに掲載させていただきました。
本当にありがとうございました!そしてご馳走様でした!!


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