dolce log&take | ナノ



パンケーキより甘いキス



小さい時、ヒロトと一緒にホットケーキを食べた事がある。


甘くて、ふわふわで、やわらかくて――、

口に一口含むだけでとても幸せな気分になったのを今でもはっきり覚えている。

そんな懐かしい夢を見たのはきっと今香っている甘い匂いの所為だ。
本を読んでいたはずなのにいつの間にか俺はソファで眠ってしまっていたようだ。身体には親切に小さめのタオルケットもかけてある。少し身体を起こしきょろきょろ見回せば、キッチンにヒロト。腰までの黒いエプロンを身につけたその後ろ姿はどこか楽しそうだ。


「あ、リュウジ」
「お、おおおはよ!」


しばらく見ていると鼻歌混じりにヒロトが振り返った。いきなり振り返るもんだからびっくりして声が若干裏返った。
ヒロトはそれに気づき小さく笑うと小さく手招きする。


「リュウジお腹すいてない?」
「寝てただけだけどお腹ペコペコ」
「ナイスタイミングだね、俺」
「え?」


ダイニングテーブルに座ったのと同じぐらいのタイミングで出された白いお皿。お皿の上にパンケーキが乗っていて、苺ソースと生クリームで綺麗にデコレーションされている。周りにはカットされたキウイと苺が綺麗に並んでいる。なんか色だけ見たら俺とヒロトみたいだなとか思った。


「これ全部ヒロトが作ったの?!」
「料理は得意分野だからね」


にっこり笑いながら俺にフォークとナイフを差し出し、食べてみて?と微笑む。柔らかいパンケーキを一口サイズに切り分けて口に含む。甘いクリームと甘酸っぱい苺の風味が口いっぱいに広がり、たまらなく幸せな気分になった。


「おいしいっ!」
「リュウジ幸せそうな顔」
「だっておいしいんだもん」


ヒロトはテーブルに頬杖をつきながら俺を見つめる。俺が一口差し出すとぱくっと頬張り、「ちょっと甘すぎたかな?」と言った。そんな事を言っているうちにパンケーキはどんどんなくなり、俺はあっという間に完食した。


「ごちそうさまっ!」
「気に入ってくれたみたいでよかった」


苺のソースがちょこっとだけ残ったお皿を見ながらヒロトは笑った。ヒロトの料理は基本何でもおいしいけれど、このパンケーキは俺の中で1番かもしれないなとか思った。
なんて考えているとヒロトが俺をじっと見つめている。


「リュウジ、クリームついてるよ」
「えっ!どこどこ?」


あっという間に完食して、クリーム付けてるとか俺ただの食いしん坊じゃないかと思った。俺は慌ててテーブルの上にあったティッシュを取ろうとしたが、その手はヒロトに遮られたと同時に空いている方のヒロトの手が頬に触れた。


「んっ…ん、」


次の瞬間、視界に入るのは吸い込まれそうな深緑色の瞳と燃えるような赤い髪。角度を変えながら何度も接吻けられて、舌を絡み取られて、まだ残る甘さと優しくて少し激しい接吻けに飲み込まれそうだった。


「ん、はぁっ…」
「ごちそうさま、やっぱ、甘い、ね?」
「ばか…」
「こんな俺は、キライ?」


ちゅっと音をたてて離れる唇。そんな顔で、そんな事聞くのはズルい。

嫌いって言えないの知ってるくせに。


「すき…」
「俺もリュウジが好きだよ」










パンケーキより甘いキス


(リュウジが食べたくなっちゃった)
(も、ばか!!)




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咲さんへのお誕生日小説です^^
待たせてしまってほんと申し訳ないです、スライディング土下座します←

甘々な基緑って難しいです、ね…
とりあえず、甘くしようとヒロトをパティスリーな男に…^^
緑川生クリームワッショイになりますね!!←

もう期待に添えたかわかりませんが、プレゼントさせていただきます><><
駄文すぎて申し訳ない…


咲さんお誕生日おめでとうございました(*´`)










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「Candy addict.」のくろさまよりお誕生日祝い文を頂いてしまいました…!!
か、可愛すぎる…!そして砂糖吐きそうなくらい甘くて幸せそうな二人に心がほかほかと和みました…´`* ヒロトの作ったパンケーキを食べ終えたリュウジは、その後ヒロトに食べられるんですね分かります←

転載許可も頂いたのでここに掲載させていただきました。
本当にありがとうございます!ご馳走様でした^^


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