dolce text | ナノ
イタリアのある1人のお話
朝は日の出から夜は星が瞬き始める頃まで、彼は常に白と黒のボールを持っている。人通りが多い所では流石に無理であるものの、それ以外はそのボールを足で蹴りながら移動する。 手持ち無沙汰になれば、靴の甲や横、膝、頭などにうまくボールを移動させ、地面に落とす事なく綺麗なリフティングを披露する。気が付けば彼の回りには人だかりが出来ている、なんて事もあるくらい、それは見事なものだった。
まるでボールが生きており、戯れて一緒に遊んでいるようだ。 そう人々はその素晴らしいリフティングを見て感嘆を漏らす。
サッカーのプレイを見ればそれは尚の事。見る者全てを魅力するそのスピード、ボール捌き、キック、総てにおいて感動せざるを得ない。
そんな『白い流星』と謳われる程の天才プレイヤーこそ、フィディオ・アルデナであった。 そして彼の『フィディオ』と言う名は、自国に留まらず近隣の国々にも轟いている。
グラウンドの土を踏み締め、今日もフィールド内を駆け回る。オルフェウスを束ねるキャプテンだけあって、コート内でボールを蹴りながら声を響かせていた。 その声を聞いた街ゆく人々は、自然と足を止めてその練習を眺める。だから練習が終わった頃には、びっくりするくらいの歓声が沸き起こる事もしばしば。
イタリアの人々は皆彼に期待していた。だから街を歩けば見ず知らずの人に「頑張って」などと声をかけられる。
まだ十五にも満たない少年がイタリアの期待を担っている、といっても過言ではない。 荷が重過ぎるんじゃないかと心配する声もあるが、当の本人は何のプレッシャーを感じることもなく、ただ純粋にサッカーを楽しんでいるだけだった。
「ナイシュー、フィディオ!流石だな」 「次も決めてくれよ、キャプテン」 チームメイトはそんな自分を受け入れてくれる大切な仲間だった。
「あぁ、もちろんさ!」
世界の舞台に立てば、彼の名が全世界の人に知れ渡るのも時間の問題であるくらい、素晴らしい力を持つフィディオ。 彼の前には、もう世界の頂点へと通じる階段が見えていた。そして一段ずつ、確実に歩みを進めていく。
「マモル・エンドーか…」 あいつすごいな、と零してふっと微笑んだ。
戦いたいと思える相手が世界にはたくさんいた。もっと上を目指せる、もっと高みへ登れる。
だから今日も彼は、ボールを肌身離さずにサッカーに熱中している。
期待を背負う者
(さぁ、どんどんかかってこい!)
end
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イナイレ3発売一日前!という事で、今日はイタリアのフィディオくんが中心のお話です。 うわあ即興には無理があったフィディオくん…。私はスパークを買うのでフィディオ君に致しました^^ロココちゃんは何かの機会にでも…!フィディオくんって天然っぽいな(というか頭弱いな)と勝手に思ってるのですが…完全に中の人の影響ですね…←
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