dolce text | ナノ



アメリカ人のお話




ゴールキーパーが宙を跳び、ボールがその横の空を切ってその奥の白い網を凄まじい勢いで揺らした。
一瞬の静寂の間があって、ピーっと甲高い音で笛がスタジアム内に響き渡り、どわあっと歓声が沸く。
そんな歓声の中心にいる二人、ディランとマークはその歓声に答えつつお互い顔を見合わせた。そしていつものお決まりと言ったように片手を天に掲げてハイタッチをする。

ユニコーンブラストが決まったのだ。


「ナイス、ディラン!」
「オーケー!次も決めるぜ、マイク」

右手でガッツポーズを握って喜ぶディランを見て、マークは「ははは」と声に出して笑う。

強豪相手に世界へと繋がる1点をチームに貢献する事ができた事実は、二人にとって実に嬉しい事だった。
片方はキャプテン、片方はエースストライカーの称号を担うこの二人は、チームの支えであり要である。得点した事でチームと観客の士気も増す。

二人して味方のゴールの方を振り向けば喜ぶチームメイトたちの姿。再びお互い目を合わせアイコンタクトをして、仲間の方へ駆け出した。

皆が集まっていた所に飛び込めば、二人で仲間に揉みくちゃにされる。カズヤとアスカもその中におり、二人に肩を組まれたり小突かれたりして戯れられる。

「やっぱり二人のシュートは凄いな。土門、俺達も負けてられないよ」
「だな、いっちょやりますか」

やったな、さすが、などと声を掛けてまた自分のポジションへと散り散りになるチームメイトたち。ディランはマークにぽんと肩を叩かれて、微笑んだ二人は揃って定位置に戻る。


世界は『ワクワク』と『ゾクゾク』ばかりの舞台だった。内に込み上げてくる期待と希望、そして少しの不安を抱えて、世界のフィールドの芝生を踏み締める。
“世界”という無限大の敵を前にしても、二人はちっとも怖くは感じなかった。なぜなら昔からサッカーでコンビネーションを組んでいたという事実が、互いの信頼関係が、二人に自信を持たせているから。

「ディラン、俺達は絶対頂点に立つんだ」
「あぁ、そうとも。ユーとミーなら、絶対行けるさ」



励まし合える仲間がいるから


そう言って、お互い前に突き出した拳をこつんと軽くぶつけ、敵の方へ体を向ける。


二人には、目の前に神々しく輝く世界一への道が見えていた。そしてそこを確かに一歩ずつ歩みを進める、彼らの姿。











end









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イナイレ3発売二日前!という事で、今日はアメリカの2人が中心のお話です。
マークとディラン解らない\(^O^)/
何故書いたし自分…orz
ネオの砂木沼さん&源田と迷って、どうせならアメリカ二人はこの先書く機会あるか解らないので。だがしかし後悔…