dolce blog | ナノ

基(→)緑ボツ文 / text
2011/03/04 15:04

私の理想の基緑ではないのでボツです。でもたまにこういう暗くて病んでるようなのを書きたくなります。何故でしょう。


※基(→)緑、基山が若干病んでます





その感情は、自分にもよくわからない。だけど、それを『恋』や『愛』と呼ぶにはあまりに幼く、そして甘すぎた。同時にそんな綺麗な言葉で表していいほど純粋な感情ではなかった。どちらかと言えば、それは醜い方に傾く。
そんなもやもやした感情を胸に潜ませて、今日も自分は彼に笑顔を向けるのだ。彼はそんな俺の繕った笑顔を信じ込んでよく慕ってくれる。


醜い感情を潜ませる俺なんかに向けてくれるこの笑顔を、壊してはいけない。
ころころと変化する表情を、泣き顔でぐちゃぐちゃに変えてはいけない。
俺の名前を呼んでくれるその明るい声を、苦しい息遣いで吐く嗚咽にしてはいけない。

分かってはいるものの、そう自分に言い聞かせれば聞かせるほどにその真っ黒い欲望は膨らんでいく。
これは「愛しさゆえ、」なんて理由で自分を弁護したって、ただの自己満足にしかならない。

それでも、壊してしまいたい。泣かせたい。泣き顔が見たい。
数か月前のあの頃のように、恐怖に戦慄いて懇願する忠実な下部であった彼が愛おしい。


折角、一度手放してしまった記憶を全て取り戻し、そしてその過去を全て受け入れ、『宇宙人』になる前の彼に戻ってきたというのに。彼に酷い事ばかりしていた自分に信頼を取り戻してくれているというのに。彼を大切にしていきたいと思っているのに。
相対する欲望と願い。




アブノーマル



(ごめんね、緑川)

夜、部屋に来て欲しいと顔に張り付いた笑顔で言えば、彼は柔らかい表情で快く諾の意の返事をする。俺がこんな感情を孕ませているとも知らずに。

(ごめんね、…ごめんね)

背中を向けて廊下を歩いてゆく彼の背中に向かって心の中でまるで呪文の様に何度も何度も唱えた謝罪の言葉は、口から出ることはないだろうけれども。
何故ならその言葉を口から声にして出したところで、何も解決しないことは分かっていたから。

あぁ、なんて酷いんだろう、俺は。





***


深く考えずに書いたのでいろいろ意見はあると思いますが、その編は気にせずさらっと流して頂けると有り難いです。本当に基山の抱える闇を考え出したらきりがないので…これもひとつの闇、みたいな感じです。
親に愛されるというものを知らないから、吉良からの愛を欲する訳で、つまり愛し方というものを知らないが故に歪んでしまうんじゃないかと思い立った結果がこれです。不完全燃焼ですが…




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