dolce blog | ナノ

豪風ボツ文 / text
2010/11/27 23:58

ボツ文の行き先は当分此処になりそうです。そんな訳で、何がしたかったんだろうなぐだぐだ文ですが放置していきます。


※中途半端に終わります





背中に微かなぬくもりを感じながら、前に回された自分より少しだけ高い体温の左手に右手でそっと触れる。
若干もたれる様に彼に体重を少しばかり預ければ、高い位置に結わえてある俺の長い髪にそっと頬を近づけてきた。そして空いている右手で毛先を指先に絡めとって、手櫛で梳くようにそっと触れられる。
かと思えば、今度は後頭部の上部にあるゴムが後方に少し引っ張られる感覚がして、髪が地球の重力に従うように、するりと滑らかにゴムの輪から抜け出していく。髪はぱさりと音を立て背中や肩に落ち着いた。
髪から取った赤いゴムはそのまま彼の右手首に嵌められ、背中に落ち着いているその髪を一束掌に乗せると、再びそっと指先で下方へ梳いていった。

俺の髪に触れる彼のその指先が紡ぎ出すのは、妙な心地よさとあたたかさだった。彼に髪を触れられるなら、一向に構わなかった。
むしろ、触って欲しい。

そして以前ぽつりと零していたのだが、彼も俺の髪に触れる事を好んでいるようだった。

「そんなに髪触るのがいいか?」
「あぁ。触り心地がいい」

ベッドの上、壁にもたれかかった豪炎寺に、体重を少し預けるようにもたれかかる俺が暗闇に静かに問えば、耳元で帰ってくる低く優しい声音での返答。
消灯時間が近い為に廊下も静かで、その静かな声は暗闇に変に響く。
左手をそっと握れば髪に触れていた右手も前に回され、後ろに引き寄せられて髪ごと首許に顔を埋められた。




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