トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル。
「ああ、もしもし、こちらは花宮あかりですが、そちらは南雲晴矢でよろしいですか?」
『いやそうだけどなにおまえそれふざけてんの?…え、あ、じゃなくて、あかり、あのさおまえ』
「明日テスト終わったらロッカーの前で待っててね。この間言ってた映画、行くから」
『はあっ!?明日かよ!急すぎんだろ…、てかまだ明後日もテストあるじゃねーか、おまえわかってんのか?』
「来ないと絶交する」
『脅しかなんかかそりゃ』
「そう思ってもらって構わないわ。あと、立花さんも連れてきてね。チケットはちゃんとこっちの手元に4枚あるから大丈夫。用件は以上。また明日」
『おいちょっとまて、あかり、おま』
ブチ、ツーッ、ツーッ、ツーッ。
受話器をホルダーに戻して、ふう、と深くため息をひとつ。
(すべては明日にかかってる)
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