ディアナとエステル
「おい」 「おい、とは失礼ね。私にも名前があるのよ。『エステル』って呼んでもらえない?」 「…」 「なあに?」 「あんた、そんな名前なのか。『星』って」 「ええ。あら、ディアナは『月の女神』の名前よね」 「名前に似合わねえ見た目だけどよ」 「そんなことないわ。」 「世辞はいらん」 「お世辞じゃないわよ。星と月でなんだか運命感じるわ」 「勝手に感じとけ」 「じゃあそうする。ディアナ」 「んだよ」 「私、何があってもイシュトヴァーンからの恩は忘れないからね。貴女の国も居場所も奪うことは絶対にしないわ。」 「…勝手にしろ」 「そうするわ」 「…無茶だけはすんなよ。」 「わかってるわ」
|