大学生リンと中学生レンの姉弟設定。 (※)強姦、近親表現含みます。苦手な方はご注意くださいませ。 「えーっ!今日もダメなのー?」 『ゴメン!ほっっっんとにゴメン!今度埋め合わせするから!』 「もう!絶対だからね!」 『絶対!約束するから!…じゃあ悪い、そろそろ切るな。明日また連絡するから』 「うん…待ってる。……ほんとーに今度こそ絶対だよ!」 ブツッ! 通話終了ボタンを少し乱暴に押して、携帯をベッドの上に無造作に放り投げる。 苛立ちをぶつけられた携帯には申し訳ないが、そうでもしないとやってられないわ!という持ち主の心境を汲んでくれると嬉しい。 まあ、苛立ちの理由なんて傍から見たら些細な事なのかもしれないけどね。でも、私にとっては大事な大事なことなんだ。その理由とは、 最近、彼氏の付き合いが悪い。 あー、本当にしょうもないなあ。自分でもわかってるんだよ、うん。 でも、でもさ、少し前なら「会いたい」ってメールを送れば、すぐに飛んできてくれた。ううん、それどころか私が1日連絡しないと彼のほうが不機嫌になったぐらいだ。そんなイチャイチャで甘々で暑苦しいどころか重苦しいとまで形容されたバカップルの私たちが2週間も顔を合わせていないとかもはや異常事態じゃないだろうか。 そりゃあ、彼は私より2つ年上だし、今は今後の身の振り方が決まる大変な時期だってことはわかっている。だけど、どんなに頭で理解したって不安はちっとも消えてくれない。 「私って余裕ないのかなあ…」 数日前に友人に言われた言葉を思い出す。 『少し会えないだけでそれじゃこの先辛いよ?連絡はくれてるんだしさ、もう少し余裕持ったら?』 彼女の言うことはもっともだ。社会人になればふたりの時間はこれからもどんどん減っていくんだろう。そのたびにこんなに苛立ったり落ち込んでばかりいたら身がもたないし、周りだっていい迷惑だろう。でも…余裕ってどうやって持てばいいの? 『リンはそういうのに慣れてないからなあ。肩の力抜いてさ、気楽に考えればいいんだよ。簡単でしょ?』 ミクちゃんはそう言ってたけど、簡単、かなぁ……?私には難しいような…。これが経験値の差ってやつなんだろうか。 中学、高校と一貫の女子校に通っていた私は大学に入学するまで男の子とのお付き合いどころか話す機会すらほとんどなかった。 あの6年間でまともに話した男の子なんて6つ下の弟とお隣りのまーくん(4歳)、あとは父親…いや、お父さんは無口だしあんまり会話した記憶がないな。今は単身赴任中だから余計に。あー、でもそんなもんか。うん、見事に身内ばっかりだ。 だから今の彼氏は私にとって生まれてはじめて付き合った人。 付き合ってから今まで戸惑うこともいっぱいあったけど、彼は私を大切にしてくれてるし、私も彼のことを大事に思っている。 信じているし、負担になりたくない気持ちだってもちろんある。今回だって信じて待とうって決めてたんだけど、でも、でもさ、やっぱり、やっぱり――― 「ああああああーーーーーもおおおおおおおーーーーーむりいいいいいいーーーーーっっ!!!!!」 咆哮といってもいいだろう、私の魂からのシャウトが響き渡る。ロックシンガーもオペラ歌手もビックリの声量だ。 この時間帯(現在時刻22:47)にこの音量は流石にまずいかなーとか思ったりしないでもなかったが、それもこれも可愛い彼女を放っておく甲斐性なしが悪いのだ。私、悪くないもん。 脳内でかなり強引な自己弁護を無理矢理まとめたところで、ガチャリと自室の扉の開く音。 「リン、さっきからうるさい。近所迷惑だっつーの」 弟がわざわざ抗議をしにやって来ました。ちっ、口うるさい奴が来たな。 「違うもん。私のせいじゃないもん。だって、」 「だって禁止。責任転嫁も禁止。どうせ彼氏がどうのとかいうんだろ?もう聞き飽きました」 「ううー、レンのいぢわる」 「それより先に言うことは?」 「………ごめんなさい」 「はい、よろしい。素直な姉さんは可愛いね」 「レンは可愛くなくなった」 「ありがとう。男がいつまでも可愛いなんて言われてちゃカッコつかないもんな」 「むう…可愛いレンのほうがいい!」 「はいはい、残念でした」 「むう…」 何を言っても軽くあしらわれてしまう。 本当にいつからこんな風に可愛げがなくなったのかなあ。中学に上がる前までは私にべったりで、もうメロメロに可愛かったんだけどなあ。これが思春期ってやつなんだろうか。 正直、つまんない。 彼氏のこと、レンのこと、自分自身のこと。 いろんなモヤモヤがグチャグチャになって頭がクラクラする。 「リン、大丈夫?すごい顔してるけど」 「大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない」 「そんなに彼氏と会えないのが不満?でもさ、」 「でもじゃない!もうやだ!モヤモヤもグチャグチャもクラクラもやだ!全部やだ!」 「へ?モヤモヤ?グチャグチャって、」 「よし!もう考えるのやめだ!レン!」 「な、なに?」 「飲もう!」 「…………はあ?」 それから10分後。 リビングのテーブルにはお母さんのお酒とおつまみのストックがずらっと並んでいた。 知ってはいたけど、すごい量だなあ。お母さんも若くないんだし、肝臓とか大丈夫なんだろうか。大丈夫だよね。あれで結構、頑丈だし。……一応、定期健診だけ勧めとこっと。 さあ、準備万端整ったところで。 「かんぱーい!」 「かんぱーい!……じゃないだろ!」 「よし、飲めレン。お姉ちゃんがお酌をしてあげよう」 「いや、だからさ、俺まだ中学生なんだけど」 未成年?飲酒は法律で禁止されています? ふん。知らん。 そんなの私の膨大なストレスの前では些末事だっつーの。 「固いこと言わないの!ま、ま、今夜は無礼講ということで」 「つーか話聞けって。ちょ、引っ張るな!くっそお、こういう時に限って母さんいないし」 お母さんは単身赴任中のお父さんのところまでお世話(と監査)しに行ってて来週まで帰ってこない。 「ふふふ、残念だったな少年。お前の味方はここにはひとりもいないぞ」 「どこの悪役だよ。つーか何?なんで急に酒?」 「飲まないとやっていられないときが女にはあるのよ!」 「ヤケ酒かよ。俺を巻き込むなって」 「つれないこと言わないでよお…ね、今夜だけ、お願い」 レンの右腕に自分の腕を絡めて上目使いで甘えた声を出すと、レンは顔を真っ赤にして面白いぐらいにたじろいだ。 ふふ、どれだけ可愛げがなくなろうと基本はシスコンな子だから、私のこういうおねだりにはまだまだ弱い。っていうか、ここまでやって拒否られたら立ち直れない。 「はあ、少しだけだからな」 「わーい!レン、大好き!よーし、今夜は朝まで飲むぞー!」 「…聞けよ」 「だからあ、私も頭ではわかってるんだよ。でも心はそれとは別じゃん?うまくいかないんだよねー」 「…………」 「みんなはさ、余裕もてーとか、うっとおしいーとか、リア充爆ぜろーとか言うけど、でも当人からしたらたまんないんだって」 「…………」 「だから、…あれ、レン?」 「…………」 さっきまで嫌々ながらも私の愚痴に相槌を打ち、なんだかんだで慰めてくれていたレンが急に静かになった。 「レーンー?」 向かいの席に視線を向けると机に突っ伏したレンのつむじが見えた。かすかにすーすーという小さな息遣いも聞こえる。ああ、寝落ちっすか。 「えーと、飲ませすぎたかな?私も結構飲んだし。うわ、もう日付変わってんじゃん」 壁時計に目をやれば短針はとっくにてっぺんを通り過ぎていて、すっかり夜も更けたリビングでは大量の空き缶や空き瓶がテーブルを占拠していた。 「あー…私ってほんとバカ」 不燃ゴミの山に埋もれてすやすやと眠る無邪気な姿にすっと頭が冷えていく。 中学生の弟に無理矢理お酒飲ませて、散々しょうもない愚痴を聞かせて、私なにやってるんだろ。 「ごめん、ごめんねレン」 なんかもう泣きたくなってきた。 情けないやら、恥ずかしいやら、申し訳ないやらで涙腺がじわじわと緩んでいく。でもここで泣いたらまたレンに迷惑かけちゃうよね。 私は溢れだそうとする涙をぐっと堪えた。喉がきゅっと痛む。でも我慢だ。これ以上レンに嫌われたくないもん。 「っく、うう、ごめん、レン。ごめん、ごめんなさい」 「……ん…リン?」 レンがむくりと頭をあげる。起こしちゃったみたい。 レンの顔はほんのりと上気していて、だいぶお酒がまわっているみたいで、さらに罪悪感が湧いてくる。 レンにちゃんと謝らなくちゃ。 「レン、あの、私、」 「えへへー、リーンー」 「!!!??」 謝罪の言葉を最後まで言うことはできなかった。誰かが私にタックルをかましてきたから。 なんの前触れもない衝撃に受け身なんかとれるわけもなく、私はその誰かに押し倒される格好で床に倒れこんだ。 いや、誰かっていっても、ここには私とレンしかいないんだけど。 「レン!?なにやって、」 「リーンー」 「聞けってば!なに、なんで、なんでタックル?そんなに怒っちゃってた?」 「タックルじゃないって。ハグだよ、ハグ。ほら、ぎゅー」 「…………はあ?」 何言ってんだコイツ。 っていうかキャラ違くない?小学生の時ならまだしも、思春期のシャイボーイになってしまったレンからは考えられない言動だ。 ちょっと腕を組んだだけで顔を真っ赤にしちゃうあのレンがハグとかするわけないし、姉を押し倒した格好のまま胸に顔をスリスリとなすりつけたり、そのままモミモミと揉んでくるわけがない。 って、あれ、私、胸揉まれてる? 「ちょ、どこ触ってるの!?」 レンの突然のキャラチェンに戸惑って反応が遅れてしまったが、レンはさっきから上機嫌で私の胸をスリスリ、サワサワ、モミモミと好き勝手に弄んでいる。 え、なに、なんでレンにセクハラされてんの、私。 あまりのことに酔いも涙も罪悪感も吹っ飛んでしまった。 「やだ、やめてよ!レンったら酔ってるの!?」 「酔ってないよ、酔ってるのはリンのほうだろ…ほら、んっ」 「んんっ!」 突然、唇を、塞がれた。 え、これってキスだよね?ハグの次はキス?レンってこんな過剰なスキンシップをする子じゃなかったよね?ってか姉弟でこういうことはしないでしょJK。ここは日本のはずだし。え、あれ、なに、なに、なんなのこの状況。 混乱してすっかり固まってしまった私をキスを受け入れたと捉えたのか、レンは嬉しそうにはむはむと唇を啄んでくる。 最初は唇同士を触れ合わせるように口づけられて、レンの息が荒くなってきたなーと思った直後、舌が口内に侵入してきた。 「んんぅっ!…んふ…ん…っ!」 熱い舌がいやらしく絡まって、深く深く吸われてしまう。合わされた唇の隙間からはぴちゃ、くちゅっと恥ずかしい音が聞こえてきた。 「んうっ!…は…ふ、っんむぅ!…ちゅっ……」 抵抗しなくちゃ。そう思っても驚きと困惑と恥ずかしさでうまく頭が働かない。 じゅっと音を立てて舌を吸われるたびに身体の力が抜けていって、レンの舌はますます勢いを増していく。 「んはっ…はぁ、あ、ふ」 「くす…ほらねお酒くさい。ほっぺもまっかだよ」 散々好き放題に蹂躙された唇はどちらのものともつかない唾液でべとべとに汚れている。 レンの顔が私から離れるとお互いの唇の間につぅーっと細い銀糸が伸びてぷつり、と切れた。 こんな恥ずかしいキスははじめてだ。 あまりの動揺に動けないでいると、私の頭を固定していたレンの手が再び胸に伸びて、さっきよりも激しく揉みしだかれる。 「いや…ぁ…やめっ…や、だぁ」 レンの手を引きはがそうと掴むが、力の抜けた私の手は大した抑止力を持たない。傍から見ればただ手を添えているだけに見えるだろう。 レンにとっても私の抵抗なんてないも同然で、男の子しては華奢な手で大きな円を描くように胸を揉み続けている。 どうしようどうしよう。はやくこんなことやめさせなくちゃいけないのに。 「ブラつけてないんだね。乳首がぷっくり浮き上がってきてるよ。やらしー」 「ひゃん!」 布地越しに膨らんだ胸の先端をきゅっと摘ままれる。 寝る時や、家でごろごろする時はブラを外してゆったりとした服で過ごすことがほとんどで、今もレンの言うとおりノーブラだった。 私の胸とレンの掌を隔てるのは薄い布地が1枚だけ。そんなのなんの防壁にもならなくて、与えられる刺激は強い電流のようになって背筋を駆け抜けていった。 「ほらこっちも」 「ふあっ!や、ああ、はああんっ!」 レンは反対側も同じように摘まんで、そのままくにくにと指先で弄ってくる。 いけないことなのに、こんなことをしてはいけないのに、唇は勝手に甘ったるい声を紡ぎだし、レンをますます煽っていく。 自分の身体が自分のものではないみたいだ。 「リン、可愛い…ん、ちゅう」 「ひっ!や、やだ!」 レンは荒い息混じりに囁くと、今度は布越しに齧り付くように吸い付いてきた。じゅうじゅうと吸い上げ、時折軽く歯を立てられる。 ありえない状況ともどかしい刺激に追い詰められ、身体が熱を増していく。 レンの唾液を含んで色を変えていく部屋着がすごくいやらしく見えて、恥ずかしくてしかたない。 「いやっ、服の上から、吸わ、ないでぇ…」 「服の上からは嫌って…直接してほしいってこと?エッチだなリンは」 「!?ちがっ、何言って、」 「遠慮しなくてもいいのに。ちゃんと可愛がってあげるよ」 「!!?いやああああ!!」 部屋着を一気に捲り上げられ、なにも身に着けていない裸の胸が弟の前に晒された。 「だ、だめっ!見ないでっ!」 慌てて両腕で胸を隠すけど、今のレンがそれを許してくれるはずもなくて、無理矢理に腕を解こうとする。 「リーンー?手邪魔だよ、ほらどけて」 「いや、いやっ!」 宥めるような優しいレンの声も今の私には恐怖でしかない。 何と言われようとこれ以上のことを許すわけにはいかないんだ。だって、こんなのおかしい。 意地でも腕をどかさない私に「はあ、しょうがないなあ」とレンはため息を吐いた。その諦めたような声音にほっとする。 よかった。やっぱりレンは私が本当に嫌がることはしないんだ。優しいもんね。 さっきまでのはお酒の勢いってやつだと思う。きっとレンは酔うと人格が変わっちゃうタイプなんだ。 本当は色々と文句を言いたいところだけど、レンが酔っぱらった原因をつくったのは私だし…しょうがない、今回のことは許してあげよう。 「もう、びっくりしたよー!レンってば、酔うと豹変するタイプだったのー?私が相手だったからよかったけど、これが他の女の子だったら訴訟ものだよ」 「…何言ってんの」 「何ってなにが?それよりいい加減にどいてほしいんだけど、この格好だと落ち着かないしさ」 わざと明るい声をつくって、この場の雰囲気を壊そうとする。こんなのただの笑い話にできるように。 できるだけ普段通りに振る舞ったつもりだけど、レンは私の身体を押さえつけたまま恐い顔で睨みつけてきた。 「…はあ、リンって頭悪いよね」 「なっ、なんで!?」 「この状況で俺がやめると思ったり、俺が他の女を襲うとか、本気で言ってるの?」 「え、だってしょうがないなって…やめてくれるんじゃないの?」 「やめないよ。俺が諦めたのはリンの合意を得ること。無理矢理するのは可哀想だから出来るだけ避けたかったんだけど。でも、しょうがないよね。リンはバカだからいつまで経っても気づいてくれそうもないし」 …何を、言っているの? 「な、なにが?無理矢理ってどういうこと?」 「こういうことだよ。…ん」 「!!」 またキスされた。今度は最初から舌を入れてこようとしたので、唇に力を入れて必死に舌の侵入を拒む。 「んん、…んっ」 レンはなんとか私の唇を開こうと、舌を尖らせてぐいぐい突いたり、唇全体を舐めたりする。 執拗な攻めに息が苦しくなるけど、ここでレンに屈するわけにはいかなかった。これ以上進めばきっと後戻りはできないだろうから。 だけど私がいっそう固く唇を引き結んだ直後、この攻防にあっさりと決着がついた。 「ん、やっ!…あっ、んふう、ん…ちゅ、くちゅ」 不意に太ももの付け根をするっと撫でられて、思わず声をあげてしまう。 しまったと思った時にはもうレンの舌は私の口内に入り込んでいた。 「んんっ、ふっ…」 深い深いキスを与えられ、私に残された抵抗は舌を奥で縮こまらせて、なるべく動かさないことだけで。 そんな抵抗とすら呼べない私の悪あがきを愉しむかのようにレンの舌は散々に暴れまわる。 口の中のいたるところを舐めまわされ、舌先でちろちろと煽るように突かれると強張った身体から力が抜けていった。 「ん、ちゅ…あ…ふぁっ…んちゅ」 なんだか変だ。 相手は血の繋がった弟なのに。まるで恋人からもらうキスみたいにレンのキスは私の頭を甘く痺れさせる。 舌をじゅうっと音を立てて吸われる快感に、レンの手が優しく私の髪や頬、首筋を撫でてくる感触にうっとりしてしまう。 「ん、はぁ…はふ、っ…はぁ」 「ふふ、やっとおとなしくなった。ほら脱がせてあげるからバンザーイして」 「いやぁ…」 唇を解放され、頭から服が抜き取られる。 この先のことを考えてぎゅっと目を瞑ったが、思っていたような刺激はすぐにはやってこなくて、レンは私の頭上でごそごそとなにかをしているようだった。 「?…レン、何してるの」 「また邪魔されたら困るからね」 「?……!?えっ、嘘っ!?」 どうやらレンは中途半端に腕に絡みついている部屋着の袖の部分をテーブルの脚にくくりつけようとしているようだった。 …ちょ、ちょっと待って。これって、束縛ってやつじゃあ………っっ!! 「っ!!や、やだあ!!」 「こらっ、暴れたらだめだって」 「やだやだっ!やめてっレン!」 抵抗も虚しく、結局そのまま私の腕はリビングの重たいテーブルの一角に縛り付けられてしまった。 「いやあっ!ほどいてっ!」 「ダーメ。リンがおとなしくしてないのが悪いんだよ。つーかそんなに怯えんなよ。ちゃんと可愛がってあげるから…ね」 とうとう何も遮るもののなくなった私の胸を無遠慮な視線が這いずりまわる。 「これがリンの…すげえ」 「っ…!」 は、恥ずかしいっ――――! こんなことになる前は普通に酒盛りをしていたので電気はついたままだった。 蛍光灯の白い光の下に曝け出された胸を舐めるように見られて、羞恥で頭がどうにかなりそうだ。 レンは感触を確かめるようにやわやわと乳房全体を揉みあげてくる。 「ううっ…はんっ、あ、ああっ…」 「柔らかいね。ははっ、思ったより大きいんだ」 「あ…はぅ…だめ…ぇ…」 「リン、綺麗だよ。乳首も小っちゃくってピンク色で…すごく可愛い」 「きゃうっ!」 胸の頂を爪弾かれて、びくんと身体が跳ねる。 「ビンビンじゃん。おっぱい揉まれて感じちゃったんだ?」 「ひぅ…やら、やらあ、ぐりぐりしないれぇ」 グリグリと押し潰すように刺激されて、自分でも声が甘く濡れていくのがわかる。 アルコールで過敏になった身体は素直に快感に追い詰められていって、理性さえも溶かしていくようだった。 「いやなの?じゃあ、これならどう?」 「ひっ、やあっ、引っ張るのもらめぇ!」 「わがままだなあ…聞き分けの悪い子はお仕置きだよ」 「きゃ、あっ…ふうぅぅぅんっ!」 今度は摘まんで思いっきり引っ張られ、さっきとは違った刺激にぞくりと快感が走る。お仕置きと言われ強く捻りあげられると強い快感に身体全体がびくびくと震えた。 「あーあ、リンのピンクの乳首が真っ赤になっちゃった。ちょっといじめすぎたかな。ごめんね、お詫びに舐めてあげる」 「やぁ…あっ、はあぁん…ふぅ…っ」 あつい――――。 唇と舌で頂を執拗に苛められて、全身の熱が一ヶ所に集中していく。 その感覚を誤魔化そうとしてほぼ無意識に脚をすり合わせた。 「はあ、はあ…」 「どうしたの?腰がいやらしく動いてるよ」 「ちが、これ、は…っ、ちがうのぉ…」 「本当に?…気になるなあ。ちょっと確かめさせてよ」 「やっ!だめ、だめっ!」 レンの手がショートパンツにかかる。 「いや、だめっ!レン、お願い!そこは本当にダメなの!」 ダメ。これ以上は本当にダメだ。 なんとかやめさせようと脚をじたばた動かすけど、私の必死の懇願と抵抗を嘲笑うようにレンの手はゆっくりゆっくり下に下がっていく。 「ダメっ、ダメっ!お願い!お願いだからあ!」 どれだけ声を張り上げても今のレンには届かないのだろうか。 レンの手は焦らすような速度で、でも決して止まることはなく、私の最後に残された衣服を取り除いていく。 下着ごとずり下げられたショートパンツが膝の上あたりまで到達したところで、いったんレンの手が動きを止める。 私のいちばん恥ずかしい場所を晒すにはそれで充分だったから。 「濡れてるよ」 「ひうっ…い、言わないで…っ」 わざと考えないようにしていた事実を突きつけられ、羞恥心とそれ以上の罪悪感を感じる。 彼氏以外の人…それも6つも離れている弟に弄ばれて濡れてしまうなんて。 そこからのレンは素早かった。 中途半端に膝に留まっている布地を抜き取り、私の膝裏を掴んでそのまま大きく開脚させる。 まじまじと観察するような視線をそこに感じて、意思とは裏腹にお腹の奥がきゅっと疼いた。 「へえ、こうなってるんだ…」 「やだ、やだ…っ。み、ないで、ぇ…」 「イヤだ。つーか、濡れすぎじゃね?おっぱい弄られただけでこんなにびしょびしょにして…リンって意外と淫乱だったんだ」 「ちが、ちがうもん…っ」 注がれる熱っぽい視線に、いやらしく揶揄するような口調に私は「いやだ」「みないで」と力なく首を振ることしかできない。 「何が違うんだよ。ほら、ここはこんなに悦んでるよ」 「ひっ!いやぁっ!い、たいっ!!」 「えっ?」 細くて骨ばった指が侵入し、異物感と引き攣れるような痛みに悲鳴をあげる。 レンは私の反応が意外だったのか戸惑った声をあげて固まっているけど、正直こっちはそれどころじゃない。 嘘でしょ、指一本でこんなに痛いものなの!? 「リン…もしかして、初めてなの?」 「っっ!!」 図星をさされて声を失う。 レンの言うとおりだった。私のそこはまだ誰も受け入れたことがない。彼氏に何度か求められても裸を見られる恥ずかしさと噂に聞く破瓜の痛みへの恐怖から断ってきた。 子供みたいな駄々をこねる私を彼は見限ることなく「リンの心の準備ができるまで待つ」と言ってくれて。臆病な私もいつかはそんな彼を心から受け入れられる日が来るんだと思っていた。 それなのに……… 「そっか…はは、そうだったんだ」 いま、私を見下ろしているのは、彼じゃない。 見慣れたはずの瞳は私と同じ色なのに、昏い欲望が翳って見知らぬ他人のようだった。 「リン…俺、嬉しいよ。もうとっくにアイツのものになったんだと思ってたからさ」 「っあ、くぅ…」 涙で滲む視界の中でレンは本当に嬉しそうに微笑んでいる。 膣内の感触を確かめるように指が蠢いて、その度に与えられる痛みをやり過ごすように息を吐いた。 未知の感覚は痛みと気持ち悪さしか伝えてこないのに、そこは私の意思などお構いなしにレンの指をヒクヒクと締め付けて、際限なく愛液を吐き出している。 「リンの中、熱くてトロトロだよ。ここに俺のが入るのか…」 「っ!」 ああ、やっぱりレンは最後までする気なんだ。 最初から理解していたのに、どうしても認めたくなくて、意識しないようにしていた最悪の結末はもう目前まで迫ってきている。 それだけはダメだ。あの人だけじゃない。産んで育ててくれた両親も裏切ることになる。 レンだってそんなことわかっているはずだ。 「レン、おねが、い…も、やめて」 「…………」 なんとかレンを押し留めようと、震える声で訴えかける。 「今ならまだ間に合うよ。いつものレンに戻って…ね。こんなことすればお父さんだってお母さんだって悲しむよ」 「…………」 「ねえ、レン……っ、ああぁんっ!」 突然増した圧迫感に私の懇願の声は甘ったるい喘ぎ声へと上書きされていく。 レンが入れる指の数を増やしたんだ。 「うるさいな、今さら何言ってんだよ。こんだけ濡らして悦んでるくせにさ。ほら、もう1本入れるよ」 「ひゃあぁぁん!ん、ああぁっ!」 舌先で陰核を慰めながら、一本、また一本と指を増やしいくレン。 ぐちゅぐちゅと解すように弄られて、だんだんと痛み以外の感覚が強くなっていく。 「やっ、ああっ!…は…らめぇっ…こんな…こん、な…ぁ…あんっ…はああんっ…!」 「イきそうなんだ?いいよ、イっても。リンのイくときの顔、俺に見せてよ」 膣内を蹂躙していた指がさらに激しさを増して暴れまわる。 「ああっ!らめっ、らめえ!ふあっ!あ、あ、ああああああぁぁぁぁーーーーっっ!!」 トドメとばかりに陰核を包皮ごと強く摘ままれ、指を中で無理矢理に捻られる。 一瞬のうちに全身を電流が駆け抜けて、頭のてっぺんで真っ白に弾けた。あまりに強い感覚に身体が大きく何度も跳ね上がる。 「はあ、はあ……は…ぅ……んっ…」 「今、イッたよね?はは、リンってば俺の指でイっちゃったんだ」 「…っ…はぅ…はぁ」 絶頂の余韻に息を乱した私には言葉を発することすら難しかった。 脳細胞が一気に死滅してしまったみたいで、真っ白に染まったままの頭は普段の半分も働いてくれない。 どうしよう…このままだと快感に負けてレンを受け入れてしまいそうだ。ああでもいっそその方が楽なのかもしれない。 考えることをやめて、なにもかも忘れて、楽になれるのなら。 「リン…すっごくエロい顔してるよ。そんな顔されたらもう我慢できない」 ズボンの中から取り出されたレンのソレは大きく反り立って、ビクビクと脈打っていた。 ちっちゃい頃、いっしょにお風呂に入った時に見たのと同じものだとは信じられなくて目を見開く。 「レ、レン…」 「リン」 入口に宛がわれた熱に息を飲む。 怖い。―――――怖い怖い怖い怖い怖い!! 全身を震わせる恐怖に耐えるようぎゅっと目を瞑る。 赤く染まった瞼の裏で「ごめん」と苦しげな声が呟いた気がした。 「…っっっっっ!!!!!……たぁ…ぃ…っ!」 「うあ…っ…」 無理矢理に押し広げられ、一気に奥まで貫かれた。 想像以上の痛みに悲鳴すら掠れて声にならない。 身体の奥で脈打つ熱が否応なしに現実を突きつける。実の弟に犯されたという現実。 「はぁ…やばい、なんだこれ、気持ち良すぎるだろ」 「いぁ…っ、うっ…くっ…!」 「っ…リン、リンっ!」 「んっ、んんんーっ!」 痛みに呻く声を閉じ込めるように唇を塞がれ、そのまま滅茶苦茶に掻きまわされる。 舌を絡め取られ、唾液を送り込まれて、痛みに強張った身体から少しずつ力が抜けていった。 「んむ、んんんーーっっ!!」 レンのがある一点を掠めた瞬間、痛みとは違う感覚が押し寄せてビクンと腰が跳ねた。 「んっ、ここがイイの?」 「ん、ふぁっ!ああ、んっ!」 唇が離れて確かめるように揺さぶられて、大きく喘いでしまう。その場所を突かれる度にぞくぞくと悪寒に似た熱が這い登ってくる。 私の反応に何かを確信したレンは執拗にそこばかりを突き上げた。 「ふふ、やっぱりイイんだ?すごい締め付け…リンってやらしーな」 「ひゃあぁぁんっ!そ、な…ああっ!」 「素直になれよ。そしたらもっと気持ち良くしてあげるから、さっ!」 「ああああんっ、あっ、あっ、ああっ!!」 ぐりぐりと抉るように子宮口を突かれて、そこは悦んで収縮を繰り返す。 きっとレンの言葉を否定したところで何の意味もないんだろう。 火照った身体の熱も、繋がった場所から聞こえるじゅぷじゅぷと卑猥な音も、甘ったるい喘ぎ声しか漏らさない唇も、私がどうしようもなくこの行為に感じていることを告げていた。 それでも、最後に残った理性がこのまま快感に溺れることを拒否し続けている。 ここでレンを求めるわけにはいかない。そうなったらきっと私はあの人の「彼女」でも、お父さんとお母さんの「娘」でも、レンの「姉」でもなくなってしまう。 そんなのは嫌。だからお願い、これ以上触らないで。もうこれ以上、私は私を保てない! 「あっ、ああッ!や、も、抜い、あっあっ、あっッ、ああっ!!」 「なに?出してほしい?」 「ちがっ、あ、ああっ!はっ、や、あああんっ!」 「心配しなくてもあげるよ。何回でも、ね」 「っ!ふあっ、あっ、あっ!は…はげし、ひあっ!も、だめ、わた、し、おかしく……っ!」 ガツガツと打ち付けられて、心と裏腹に身体は高まっていく。 激しさを増していくピストンに、頭がチカチカと明滅して身体が小刻みに震えだした。 「っ、リン、リン、リンっ!」 「!はああぁぁんっ!あ、あ、ああぁぁっ!!」 「く…ぅ、俺、もう」 「は、あっ、…な、なかは…あ、ああああ…んっっ!!」 「う…っ!!」 「ひっ!いやああああああああああああああっっっ!!!!!」 腰を掴まれ、最奥を思いっきり突き上げられる。頭が真っ白になるのと同時に子宮に向かって放たれた熱を感じた。 「やぁ、なかに…っ、あぁぁ…」 「っ……ふう」 レンは精をすべて私の中に出し切っても挿入したままの自身を抜くことはせずに、脱ぎ捨てた自分の上着を手繰り寄せ、ポケットから携帯を取り出した。 静かなリビングに情事後の荒い息遣いとカチカチと無機質な操作音だけが響く。 「れ、ん…なにしてるの」 「記念撮影」 「…え」 簡潔な返答にかぶさるように携帯からシャッター音が鳴る。 一瞬遅れて、被写体が縛られ、全裸に剥かれて、弟と結合したまま放心している自分だということに気づいた。 「や、やだあ!」 「こら、動くなって」 なんとかレンズから逃れようとするけど、腕を拘束されたまま身動きもとれない状態で叶うはずもなく、レンの気の済むまでシャッター音が鳴りやむことはなかった。 「ねえ、リン。この写真、アイツに見せたらどんな顔するかな」 「……っ」 「大切にしていた彼女にこんな風に裏切られて、きっとすごく傷つくだろうね」 「そんな、ひどい…。なんでこんなことするのぉ…」 「リンが悪いんだよ。リンがバカだから」 「なに、それ…」 レンのあまりに自分勝手な物言いに、戸惑いや恐怖、羞恥の影の隠れていた怒りの感情が沸々と湧き上がる。 「っ!そりゃあ私はバカだし、それでレンに迷惑をかけて怒らせることも不快にさせることもあったかもしれない。でも、だからってこんなことをしていい理由にはならないじゃんか!」 「こんなこと、ねえ…。さっきまで散々感じてよがってたくせにどの口が言うんだか」 「ふざけないでよっ!!…んっ、や、ああん、やめ」 怒鳴り声を遮るようにしてレンの舌が私の耳殻をねっとりと舐る。ぞわっと肌が粟立つ感触と脳に直接響くような湿った音に不意を突かれ声をあげてしまった。 「あれ、耳も弱いんだ?かわいい声」 耳元で囁かれてぞくぞくしてしまう。舌は耳殻をなぞったあと耳の奥まで侵入し、ぴちゃぴちゃとわざとらしい音を立てて嬲ってくる。 唇を噛んで必死に耐えるけど、時折隙間から「ふっ」「はんっ」と甘い吐息が漏れてしまうのを抑えられなかった。 レンのが硬さを取り戻していくのを、繋がったままのそこで直に感じ取る。 「い、いやっ、また大きく…」 「リンがエロいのが悪い。責任とってもう一回付き合ってね」 「いやぁ…」 再び動き出したレンに、身体は勝手に熱をあげて応える。 霞む意識の片隅で理性の崩れる音がして、私は静かに堕ちていった。 フェードアウト バイバイ、日常。 おねショタはいい。ショタおねはもっといい。 |