強い渚くんがまこちゃんを迎えに行く話
2014/01/07 12:24



校舎裏のひらけた場所に、駆けつけた僕が目にしたものは、壁にもたれてボロボロになったマコちゃんと、それを取り囲む人の形をしたきたないもの。ぐったりと俯いて身動きしないマコちゃんの姿に、目の前が熱く、真っ赤に染まった。
「なに、してるの」
きたないものが振り向いた。笑い声をあげて僕を見た。やだ、やだ、なんて耳障り。今すぐ耳を塞いでしまいたい。一緒に帰るため、マコちゃんのもとに近づく僕を、阻むようにきたないものが僕の行く手に立ち塞がる。
「どいて」
「ーーーーー」
「どいてよ。僕はマコちゃんを迎えに来たんだ」
「ーーーーー」
あのきたならしいたくさんの屑が、何を言っているのか聞き取れない。ただ、言葉にもならない酷い音を、口みたいな場所から垂れ流している。耐えられなくて、ポケットの中で握りしめていた拳を振るった。きたないものがひとつ、ふたつ、地面に倒れてなにか喚いた。
「調子のってんじゃねーぞ、くそやろう」
目の前が、熱い、あつい。ちらりと横目でマコちゃんを見る。身体中至るところを傷だらけにして、なんて、痛々しい姿。待っててね、マコちゃん。すぐに迎えに行くからね。ここにいるきたない全てのものを、君のもとから遠ざけてあげる。





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