まこちゃんの首を締める怜ちゃん
2013/09/09 12:12



打撲で腫れた目元から溢れ、割れてしまったメガネの縁を伝いほたほたと零れ落ちてくる雫は、その光景を見上げる俺の頬を濡らしてさらに伝い落ちていく。 鮮やかな血の滲む口端の切り傷を抉るように犬歯で噛み、怜は喉を引き攣らせた。舌を懸命に動かした。その両手のひらに首を締められ、意識を白い靄で覆った俺には怜が、何と言っているのかどうしても分からなかったけれど。
でも。
吐き出すものの無くなりかけた唇を、どうにか四文字分動かして、首に絡んだ怜の手に触れる。泣くなよ、という俺の願いは結局怜に届くことはなく、あれほど焦がれた望みを今、叶えているのだというのに怜の、水と同じ色をした涙はいつまでも枯れる気配がなかった。俺の意識が失われる、そのひそやかな瞬間まで。





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