まるで稲妻のような
2013/08/20 18:59


11巻におけるベルトルトという存在。
私は、言うなれば感動したんだと思います。喜ばしくて仕方なかった。
ベルトルトという人のあり方がああであったことが。
お前の所為で親が死んだのだと、それをどう思うのかと詰め寄るエレンに対して、罪悪感も、なにも抱かず、眉一つ動かさず、気の毒だと思った、の一言を言い切ることのできる、傲慢さ。
開き直る訳でも、諦めている訳でもなく、ただその事実を瑣末ごとでしかないと受け止められるベルトルトの人格。
感銘を受けました。これまでの話から、ベルトルトがそういう人種であるというのは何と無く察してはいましたが。まさかここまでだとは。ここまでであってくれたとは。
本当に素晴らしいと思う。改めて、ベルトルトが好きだと感じました。惚れ直したと言ってもいい。
彼の心にあるのは、壁を壊すことへの覚悟ではない気がします。むしろ使命に縛られているような気さえする。流されて、無為に、無感情に、その行為に至っているのなら、そんなに最低な人間ってない。
ベルトルトに最低であってほしいというのは私の我侭ですが、少なくとも彼は決して何もかもを覚悟した上で、壁を壊したわけではないと思う。

その点、ライナーも同じですよね。
覚悟を決めたつもりで、しかし感情は追いつかず、結果的に意識が二分されるほど苦しんで。
これまで強く、優秀な存在として描写されてきただけに、その必然的な弱さがとても嬉しい。弱い存在が好きです。
そんなライナーを果たして、ベルトルトがどんな目で見つめてきたのかと考えるとどきどきしすぎて大変です。
彼の弱さを支えていたのがベルトルトなら、彼の弱さを助長させたのもベルトルトだと思う。いとしい。
叫び、喚いてエレンに反論するライナーと、何も言わず俯くだけのベルトルトの対比は本当に素晴らしかった。

あとは、ジャンとエレンとミカサですが。
ジャンは本当にミカサが好きですね。かわいいです。夕飯全部の結果が気になるところですが、個人的にはミカサに勝利して欲しいところ。
ミカサ可愛かったですね。美しかった。エレンを想って泣き、エレンのために奮起する。あの子がヒロインでなくて誰がヒロインだというのか。
ミカサにはぜひとも、エレンと幸せになってほしい。せめて少しでも報われてくれれば。
11巻はエレンも素晴らしかったですよね。昨今あまり見ることのない苛烈な、苛烈すぎる主人公。
三年という長い月日。苦楽をともにしてきた元仲間に対し、躊躇いなく害虫と言い切れるその潔さ。表出される激情。
狂気すら帯びた悪に対する憎悪。苦しませて殺す、だとか、殺してほしいならそう言え、だとか。
彼は本当に、格好いい主人公だと思います。格好いい。

11巻を読んで、ベルジャンに対する熱が再び上がっています。でも、私は以前書いたベルジャンに熱を注ぎすぎてしまいまして。
pixivにアップしている唯一のベルジャンで、多分私の中のベルジャンは完結したのだと思います。熱はあれど、書けない。既に全て出し切りました。
ベルジャンのひとつの結末として書いたあの話。私は満足しています。
まあやっぱり、ベルジャン、好きですけども。いつかまた書きたいなあ。



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -