Free!最終話を見終えて
2013/09/30 00:54



まず、最初に。
やっぱりいい最終回でした。それは、はっきりと言い切れます。
Free!というアニメの中で、メインテーマとして触れられてきた遙、真琴、渚、凛の友情物語を、これ以上ない形で綺麗に結んでくれたと思います。
この話で最も救われたのは、最初から最後まで苦しみ続けた凛ちゃんですね。当初から望んでいたとおり、彼の心の底からの笑顔が見られたことは本当に、よかった。
全てのしがらみから解き放たれて、スイミングスクールのメンバーがあるべき場所に戻れた。それはFree!という物語の締めくくりとして最も相応しいですよね。

でも、その為に怜ちゃんは切り捨てられた。彼一人を犠牲にして、四人は友情を取り戻した。
怜ちゃんはあんなにいい子になる必要なかったんではないでしょうか。彼はもっとワガママを言ってよかった。直接的に言われた訳じゃなくとも、自分に望まれていることを察して、聞き分けよく凛ちゃんにリレーを譲って、泳ぎたければ泳げばいいなんて、あんな風に笑わなくてよかった。
怜ちゃんにそうさせてしまったのは、怜ちゃんをいい子にしてしまったのは紛れもなく、スイミングスクールの四人ですよね。それを受け入れたのは確かに怜ちゃんですけれど。
でも、最終話を見ると、11話で怜ちゃんを含めた四人が岩鳶水泳部だと言ったのは何だったのかと、そう思ってしまうのは仕方のないことではないでしょうか。お祭りの日の金魚のように、怜ちゃん一人だけ、結局出目金でしかなかったのでしょうか。
リレーを終えて抱き合う四人が、何の屈託もなく笑っていることに、どこか釈然としない思いを抱いてしまうのは私だけですか。怜ちゃんの横顔は、本来その場所に居るのが自分であったということを、懐かしんでいるように思えました。彼はとても不憫で、可哀想なポジションに追いやられてしまった。
怜ちゃんよりももっと以前に、リレーの四人として存在していた凛ちゃんという存在が抱く、苦痛によって。凛ちゃんだけでなく、ハルちゃんとマコちゃん、渚くんという三人が囚われていた過去によって。

しかし、見方を変えてしまえば、この結末は怜ちゃんにとってもある意味救いになりえたのではないか、と。
怜ちゃんはスクール組が過去に囚われたままでいることに、自分が蚊帳の外であることの歯痒さや悔しさを抱き続けていました。そして、過去の呪縛を無くさなければ、自分が真の意味でリレーの一員として認められることはないと、彼自身が一番よく分かっていたのだと思います。それは表面上決して表出されることのない事実でしたが、他でもない怜ちゃんだけはリレーのメンバーに自分がまだ中途半端にしか含まれていないと分かっていたはず。
だからこそ、彼は凛ちゃんにリレーを譲ったのでは?
もちろんそれだけではないにしろ、本当に凛ちゃんや岩鳶水泳部の面々を過去から解き放ちたかったという思いがあったにしろ、結果的に彼の行動は自分自身の為でもあったのではないでしょうか。
つまり、怜ちゃんは地方大会という場を犠牲にして、それからの未来全てを手にいれたんです。過去に囚われていない岩鳶水泳部は、今度こそきちんと怜ちゃんを見てくれる。怜ちゃんの隣に並んでくれる。後ろを振り向くこともせず。
幸いにも彼はまだ一年生です。これから先、先輩たちや、渚くんと泳ぐにも、まだまだ機会は残されている。
地方大会の一度を譲ることで、彼はその先全てのリレーをとった。私はそう信じたい。


長々と書きましたが、以上がFree!最終話感想です。好き勝手言ってしまいました。でも、言いたいことは大体書き終えた。
もし来年夏に二期があるのでしたら、新たな関係性を築いた岩鳶水泳部を目にすることができるよう、願っています。

はあ、久しぶりに真面目でした。明日から通常運営に戻りますねー。怜ちゃんの救済については、自分の中でしっかり折り合いつけましたので。

それにしても私、思ってた以上に怜ちゃんが好きだったんだなあ。





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