01
今日はたまたま日直で、たまたまユニットの練習も、部活もなくて、それでいて家に帰るのも少し億劫で。だから校内を適当にふらふらしていた。
窓から差し込む黄金色が、妙に綺麗だった。これを黄昏時というのだろうか。
まるでその黄金色に引き寄せられるかのように窓辺に行くと、外で小さな、本当に小さな人だかりがあった。人だかりというのすらも憚られる、数人程度の集まり。その中には遠目でも誰だかよくわかるクラスメイトがいて、またあいつがなにかやったのか。なんて考える。
探究心をぽんと投げ、黄金を帯びた桟から手を離す。
ああ、いつもユニットの練習場所として使ってる部屋に行けば誰かいるかもしれない。
足は心做しか、先程よりも軽かった。