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仁王雅治の勝手な自己嫌悪

 何じゃ。仲良く出来とるじゃないか。
 シャキリ。みずみずしい野菜の音が口内に広がる。焼肉定食のセットでついて来るサラダはあまり美味くない。正直焼肉定食なんだ。サラダなんていらない。
 因みに今俺がいる場所は給水塔の上。矢張り此処が一番のお気に入りだ。人を上から見下せる。人がゴミのようだ。なんて、パートナーに似た眼鏡キャラの台詞を思い出していた。

「なー、昨日なんかテレビ見た?」
「いや、見ていない。」
「だーよなー。俺も見る暇無いし」

 下から聞こえる話し声。どうやら、なかなか楽しい会話が繰り広げられている様子である。

「こりゃ、午後からブンちゃんの機嫌が良くなるかものう」

 最後の一枚である肉を食べながら、空を見上げた。ああ今日も、良い天気だ。びょうと風が吹く。

「……さ、一眠りするかの」



|| / Bkm




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