05.テニス部
ということで、強制的にテニス部に入部させられたわけですが、もう今日からマネージャー業開始みたいです。即ジャージに着替えされてコートに入ってしまいました。
そして侑士に連れられて紹介された部長さんが、なんとあの生徒会長の跡部様だった。こりゃあ驚いた。うはっ近くでみてもイケメソだよこの人。
「アーン?…誰だそいつは」
「誰て、さっきも言うたやんか。俺のいとこや。マネージャーやってくれるて」
『よ、よろしくです!跡部部長!』
「あぁ…お前が鹿野か。…丁度良い。今日はまだ1年の自己紹介が済んでなかったからな、ついでにお前も紹介してやるか。…オイテメーら!集合だ!」
跡部部長の声掛けで一気に集まってくる部員達。
うわ…うわわっ…マジでいっぱいいるじゃん。氷帝テニス部ハンパねぇ…
「今日入部した一年の奴らは前に並んで自己紹介だ。あと紗耶香、お前はこっちに来い」
「あっ…はいっ」
呼ばれた紗耶香って人、つまりさっき侑士の言ってた華村さんは跡部さんの隣に並んだ。
そして、端から順番に自己紹介し始めていく一年生達。
「えと、俺の名前は鳳長太郎です!中等部ではレギュラーでした!スカットサーブが得意です!それと宍戸さん!」
「お?何だ?」
「コレからもよろしくお願いしますね!またダブルスしましょう!」
「長太郎……おう。頑張ろうな」
「はい!!」
『…………あの2人、何か妙な雰囲気醸し出してない?中等部で仲良かったんかなぁ』
「…まあせやな。あれはあんまり気にせん方がええで」
『はぁ…何で?』
そして紹介も大体済んでの最後の部員が、まさかの日吉だった。あれ、いたの?…てゆーか…え、マジで?テニスとかやんの?あの人。
「日吉若です。よろしくお願いします」
「…アーン?それだけか日吉。最後だからしっかりしやがれ」
「別に何も紹介するような事もないので終わりで良いですけど」
「ハッ…なんだ、照れてんのか?」
「照れてません。…中等部ではテニス部の部長でした。まぁここでもレギュラーを狙うつもりなんで、よろしくお願いします」
言い終えた後思いっきりそっぽを向いた日吉。
おいおい……跡部部長にそんな態度で良いのか?一年のくせに生意気すぎだよ君…。
「フッ…相変わらずだな。後は今日から新しく入ったマネージャーだ。…鹿野」
『はい!…えーなんや侑士…あ、ちゃう、忍足先輩に勝手にマネージャーにされてしまいました、鹿野翠っていいますっ。よろしゅう…あ、しまった。よ、よろしくお願いしゃすっ!忍足先輩とは一応いとこやってますです!』
「一応やってるってなんやねん。…落ち着きや翠、話し方おかしなっとるで」
『ちゃうっちゃうねんて、緊張しとるから標準語が出来へんねんっ…あかん、戻らんっ』
「せやから落ち着けて。…まああれや、特にミーハーなやないし、仕事もそれなりにしっかりやってくれると思うで。せやけどマネージャーみたいなのは初めてやから、もし困っとったら皆助けたってなー」
『よろしくです!』
「…これで終わりだな。さっさと練習に戻れ」
跡部の指示で一斉に散る部員達。それに慌ててついていく華村さんだったが、跡部に襟首を掴まれこっちへ戻された。
「どこに行く気だ紗耶香」
「えっ…だって跡部君が戻れって」
「あのな…マネージャー同士の挨拶はどうした」
「あっごめんなさい!私、華村紗耶香です!よろしくお願いしますっ」
『あ、いえいえ此方こそ…』
天然ボケっていうのかな…ものすごく憎めない美少女感が漂ってる。そしてちっちゃい。侑士が好きそうな女の子やな…ほんまに。
「な?かわええやろ」
『侑士ってロリコンやったん?』
「ロリコンちゃうわ。同い年やっちゅうねん」
『あぁ…せやったね』
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