02.入学式
入学式です。
そろそろ終盤だと思われますが、やはり校長先生の話はながいです。かれこれ20分は話をしてると思う。こういう場の20分はそうとう長いんだよな…せめて10分ぐらいに話まとめてくれよ校長先生。
「であるからしてー…入学生……慎むよう…」
『………(あかん。眠い)』
本当に校長先生の話って…聞いてると絶対睡魔に襲われるよな…。
寝たらいけないいのはわかっているんだけど、長いし眠いしつまんないし集中出来ない。
目を擦ったりして眠気を消そうと頑張ってみるが、どうにも消えてくれない睡魔。
頭がユラユラしてきてるのが、自分でもわかる。
あー…前の男子の背中を借りて寝てしまいたい。
この男子の背中…なんだか飛び込んで抱きついてぐりぐりしたい…なぜだ。髪の毛もサラッサラ…金髪……ん、茶髪?シャンプー何使うてるんやろ…。
あ、ヤバい。マジで眠…
ドスッ
「!?」
『…くー…』
「お前何し」
『……すぴー…』
「(寝てやがる…)…おい」
ベシッ←でこピンの音
『あうっ…!?…ご、ごめんなさいっ。つい寝てしまってっ』
「……」
『…ご…ごめん』
「…別に」
それだけ言うと、直ぐに前を向く髪の毛サラッサラの男子。
前にいるってことはウチのクラスなんだよな…。
イケメンだけどなんか目つき怖いし冷たい。…金持ち怖いよー…。
―…続いて、生徒会長挨拶―
あ、まだあったんか…もう校長の挨拶で終わりでええんとちゃうの。
生徒会長とか別に興味ないし…。どうせ眼鏡かけてもっさりした真面目生徒会長だろうし。
「キャーっ跡部様ぁー!!」
「跡部様よー!!」
と思っていたら急に周りの生徒、主に女生徒が騒ぎ出し始めた。入学生の女子も知っているのか、跡部様よキャーとか言っている。
んー…生徒会長は跡部って言うのか。有名人なのかな…しかも様付けされるなんて、相当人気者なんだな。
キィィンッ…
「新入生諸君、入学おめでとう。中等部からの奴らは知っているだろうが、俺様は高等部生徒会長の跡部景吾だ!」
「「ピギャーッ跡部様ー!!!」」
…ピギャー?…何やら派手なイケメン出てきたで。
確かに様付けしたくなるような雰囲気を醸し出してる人だけどさ…自分の事俺様とか言ってる人初めて見たよ私。よく恥ずかしげもなく言えるよな…。
そしてその後も意味が分からない派手な演出で生徒を沸かす生徒会長。なので話の内容は全く頭に入って来なかった。
周りの女子がうるさかったし、雌猫と呼ばれてるのにキャーキャー言ってるし、…とにかく迷惑極まりなかった。…なんだよこれ。てか先生達注意しろ。
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