只今あの合同合宿の日から一週間たったお昼過ぎです。
『…まだかなぁ…』
パタンと読んでいた雑誌を閉じて机の上に置いた。
今日は赤也くんと柳くんが来る日なのでちょっとそわそわしています。
今朝赤也くんからのメールがあり、三時頃に遊びに来ると言っていたのでもうすぐなんです。
なんかもうさっきから、掃除もぼちぼちしたし特にする事もないから、部屋の中をウロウロしたり、用もないのに冷蔵庫を開け閉めしたり、メールなんか来てもないのに確認したり、とりあえず立ってみたり……って自分の部屋なのに落ち着かないこの感じっなんかイヤだ!
あーもーっ来るなら来るで早く来てくんないかなぁ〜無駄に心の準備期間が長かったから余計にそわそわするよ全く。
むしろ翌日に来てた方が楽だったよ…
ピーンポーン…
『!!……き、来たっ』
インターホンのチャイムがなった瞬間バタバタと玄関に向かう。
ピーンポーン
『はーいっ!』
ガチャッ
「あら、今日は元気ね晴乃ちゃん。何か良いことでもあったの?」
『…な、なんだ大家さんでしたか…。いえ、特に良いことは無かったんですけど…今から友達が来るもので』
ドアを開けたらそこにいたのは、ここのマンションの大家さんだった。
…なんか出鼻くじかれた感じでちょっとガッカリしちゃったじゃないかこのやろう。でもアレだよな、自分の部屋ごとトリップしてきたのに大家さんがいるとかさ…アレだよね。…どれだ。
「あらあら、じゃあお邪魔しちゃったかしら。ごめんなさいね」
『いえお邪魔なんかじゃ…何かご用でしたか?』
「あのねぇ、また晴乃ちゃん最近家から出てないみたいだし、買い物行って無いんじゃないかなって思って煮物の裾分け持ってきたのよ」
『わぁ…ありがとうございます。毎回気を使って頂いて申し訳ないです。今度なにかお礼しますね』
「いいのよそんなのっただのお節介なんだから。晴乃ちゃんは中学生なのに礼儀正しいわねぇ。感心するわぁ」
『あはは…そ、そうですか?』
まぁ確かに、対応が中学生らしくなかったかもな。
もとは高校生やってたし…仕方ないよ。うん。
煮物が入ったタッパーを受け取り、大家さんを見送る。
…何か毎回あの人に会うとお母さん思い出しちゃうんだよな。
顔が似てるとかじゃなくて雰囲気が母って感じ。
いやまぁ学校の時は柳くんがお母さんなんだけどね。
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