『はぁーあ、なんか疲れたなー…早く寝たい』
「晴乃、何でそんな離れた所にいるんだい?こっちに来なよ」
『…はぁい』
立海の場所に来てから、私はなんとなくあまり人と関わりたくなかったので皆から離れた位置にあった椅子に座ってたんだけど、それに気がついた幸村くんがわざわざ言うので仕方なく近くに行くことにする。
「あぁっ!!オイこら!それ俺の肉だろぃ!返せっ」
ガッ
「…箸から箸で奪うんじゃなか。行儀がわるいぜよ」
「お前が勝手に俺の取るからだろぃ。つか野菜食えよ野菜!」
「もーらいっ」
ひょいパクッ
「あああっ!!赤也テメッ!それは俺が大事にとっておいた肉!」
「先輩が早く食べないのが悪いんですよーっだ。…んーっ旨い!」
「ピヨッ。コレも旨いナリ…もぐもぐ」
「おーまーえーらぁっ!俺の肉返せーっ!」
『ちょっとーっ!うるさいよ丸井くん!肉肉うるさい!自分も肉なくせにっ』
「なんだと!?殺るか!」
『殺らない!もういいから静かにしてっ』
あの3人はホンット元気だよなぁ…。もうちょっと落ち着いてくんないかな。
「どうした小波。大分疲れているみたいだな」
『柳くん…当たり前だよ、疲れてない方がおかしいって。…もう早く我が家に帰りたい。そして夏休み中は極力人間と関わりたくない』
「…そんな事だと一生人見知りもなおらないなぞ。ニートと変わらないな」
『ニートの何が悪いんですか。仕方ないじゃない…もとからそういう性格なの私は。根暗なんです』
…でも今回は私凄く頑張ったと思う。
だってこの一週間で青学と氷帝とってかなり行き来もしたし、日吉くんとか忍足くんとか向日くんとか芥川くんとか跡部とか桃城くんとか…(意外と関わった人少なかった)少ししか話さなかった人もいるけど、それでも一人で立ち向かったさ。不二くんと桃城くんなんかメアドの交換までしたよ。
凄いよね。頑張ったよね自分。
『そうだよ…頑張ったよ、よくやったっ私!』
「…何自分で自分を誉めてるんだ」
『だって誰も誉めてくれないから……あれ、なんか泣きそうなんだけど。助けて柳くん』
「そう言われても困るんだが。…ハンカチ、使うか?」
『うぅっ…ありがとう。柳くんが優しくてもっと泣けてくる』
「何でだ」
さっきバカやろうなんて言ってごめん。…なんか最近、メンタル弱くて嫌だな…幸村くんのせいだ。絶対幸村くんのせい。
「なぁなぁっ晴乃先輩!先輩は夏休み中どっか遊びに行かないんすか?」
『ちょっ赤也くん…空気読もうよ。いやまぁ、遊びには行かないつもり。家に引きこもる』
「引きこもるって…せっかくの夏休みが勿体ねぇっ!てゆーかそれなら俺、先輩んちに遊びに行くッス!」
『えっ!?マジか!!』
「マジっすよ。練習終わりとか、休みの日はバンバン遊びに行きますからね!柳先輩と!」
「俺を巻き込むな。…でもそうだな、実際無断で行くつもりだったからな…丁度いいだろう」
『無断でくるつもりだったのかよ。ってちょっと!そんな勝手に決められても困るよっ』
本気なのかこの二人。かりにも女子の部屋に男子が上がり込むなんてっ…夕陽ちゃんだって呼んでないのに!
「つか先輩、俺駅前のたこ焼きまだ奢って貰ってねーッスよ」
『うっ…覚えてたか。もう忘れたと思ってたのに。…わかった、せめて遊びに来る日はメールで言って。掃除とか色々してからなら別に良いから」
「うむ」
「了解っす」
はぁあ…仕方ないか。
帰ったら本格的に掃除しよ。
漫画とか洗濯物とか散らかってたし…こんな事なら合宿くる前に掃除しとくべきだったかな。
いや…うーん、やっぱり別にすぐに来るわけじゃないしゆったりしよう。
『はぁ…本当疲れた。もうマネージャーなんてこりごり』
「晴乃先輩マジ頑張ってたっすよね。アイツはフラフラしてるから腹立ちましたけど」
『そうだよね』
…アイツって相田さんかな。
まぁ確かに腹立つ。
そのおかげで私はほぼ一人で仕事する事になったし。
『次頼まれてもぜったいテニス部のマネージャーなんてやりたくないよ』
「…合宿中のお前は頑張った。もう次はないから安心してもいい」
『う、うん。…なんか今日の柳くん優しくない?てゆーか素直』
「そうか?…いままでは苛々していたから仕方がないんじゃないか」
『まあ…いいけど。やっと終わったね合宿』
「あぁ」
これで最終日は終わり。
やっぱり最後まで色々あったけど、なんとか終わりました。
なんというか…本気でマネージャーなんてこりごり、と思った合宿でした。
あ、これいったの2度目。
next.
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