立海のコートに戻ってきて、私は早速幸村くんに先ほどの伝言を伝えた。



「ぐすっ…」


「ふーん……分かった。練習終わりに皆に言うよ」


『うん。……お姉様、なんかさっきよりスッキリしてる?』


「まあね。言いたいこと全部言ったから」



帰って来たら相田さんは既に泣いていて、そして幸村くんは今までのモヤモヤ苛々をスッキリさせたらしく、いつもより爽やかな気がする。



「ごめんなさいお姉様ぁっ許してくださぁい」

「美姫にお姉様って呼んで良いって許可してないよね?コレは俺達の遊びだから勝手に入ってこられてもウザいだけなんだけど」

「じゃ…じゃあ呼んでもい」

「ダメに決まってるだろ。呼んで良いのは晴乃だけって決めてるからね」

『……ねぇ…ここって、嬉しがった方が良いですか?それとも泣いた方が良いんですか?』

「嬉しがったら?」

『…わ…わーいっお姉様大好きー!…………ってやっぱり嬉しくないです!幸村くんの馬鹿ぁ!(泣)』

「フフっ…バカは晴乃だよ」

『うぅ〜っ………お母さぁん!!』

ガシッ

「お母さん言うな。…練習中だぞ。裾を掴むな」



近くを通った柳くんのジャージの裾を掴んでひき止めた。



『だって幸村くんがぁっ』

「いつもの事だろう。それにお前がすぐ泣くからいけないんだ」

『泣きたくもなるよっいっつも苛められてたら私だって辛いんだよ!…ずびびっ』

「人のジャージで鼻をかむな」

『柳くん汗臭い』

「当たり前だ(怒)」


ベシッと掴んでいた手を叩かれ、柳くんはジャージ(上着)を脱いで私に押しつけた。



「自分で洗って返せ」

『え〜っ面倒くさい』

「…もうフォローしてやらないぞ」

『ちぇっわかったよ。洗ってくる』



仕方ないから言われた通り洗濯しにいくことにする。



「全く手がかかる奴だアイツは」

「でもそういう割りにはいつも世話を焼くね。本当は楽しいんだろ?」

「楽しい、か……どうだろうな」



「……あの〜…二人とも美姫の事忘れてませんか?」


61/112
prevnext
bkm

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -