「せっかく来たんだから晴乃先輩もやりましょうよー!」

「ちょまっ…ノリで来たとはいえ無理だって!そんな体力残ってないんだってば!」



立海部員達の大部屋にて、部屋は枕投げをしているのでワーギャーうるさいです。…当たり前ですね。
けどまぁなんというか…良くみんなそんな体力残ってるよな。
あれだけ練習で動きまくって夜に枕投げとか…オバさんついてけないわ。

ってことで、赤也くんが無理やり参加させようと引っ張っている最中に、私はどこか避難できそうな所がないかさがす。
あ、そういえば柳くんとかいない。というかあの三強の人らは枕投げに参加するんだろうか。…や、まず参加してたら笑う。
中学生ぽい事が似合わない中学生だから奴らは。



「小波が失礼な事を考えている確率80%」

『うわっ柳くんっ(何で後に…)…い、居たの?。てゆーか柳くん達は枕投げに参加してた?』

「してはない。観戦だ」

『観戦ですか…なるほど』



柳くんの言う通り…確かに3人は一応観戦しているみたいだ。

なんか宿舎とかに良くある、縁側みたいな所に置いてあるソファーに座ってくつろいでいる幸村くんと真田くんがみえる。



『そうだ赤也くんっ…とりあえず参加は無理だから私もあっちで見とくね』

「えーっ……わかりました」



ショボンとして皆の中に入っていく赤也くんだったが、途中、誰かが投げた枕が当たってスグに枕投げに参加した。



『ホント、よく体力残ってるよな…。まあそういう事だから私も観戦に回るよ』

「赤也がわざわざお前を連れて来たのだから参加してやれば良いだろう」

『だから無理なの。男子の体力と一緒にされたら体持たないし、それに明日のマネージャー業に支障がでるよ絶対』



まあそれも、あの子がちゃんとやってくれてればなんの問題も無かったんだけど。
…イケメン狩りにしか精を出さないどっかの誰かさんのせいで、体力も何もかも1日で消耗し切ったよ。



「あれ、晴乃も枕投げに参加しにきたの?」

『ううん、観戦しにきたの』

「夜中に男子の中に混じって枕投げなどふしだらだ!たるんどる!早く自分の部屋に戻らんかっ」

『ふしだらって…真田くんホントのお父さんみたい。…まあいいじゃん少しくらい。私なるべく部屋に居たくないし…実際連れてきてもらって良かったって思ってた所なんだよね』

「部屋に居たくないといっても、お前まだ寝るつもりないだろ。もし赤也が誘わなかったら寝るまで何をしているつもりだったんだ」

『ずっとマッサージ機に居座るか、その辺をうろうろしてたかもね』

「…ちゃんと跡部に言えば良いのに、部屋の事。そしたらすぐ一人部屋に出来ると思うよ」

『だ、だってなんか跡部…さんてなんかこわいっていうか…あんまり近寄りたくないなぁって………色んな意味で』

「うーん……まぁ、その気持ちは分からなくはないかな。ね?」

「あぁ、まぁ…分からなくはないかもしれん」

「俺たちは慣れているから気にならないが、そう思うのが普通だな。…しかし今日はいつもの派手な演出は無かったハズだが。小波が不快になるような事でもあったのか?」

『不快っていうか…雰囲気が?か、醸し出してる…よなぁって。アハハ』

「そうか…?」


柳くんは少し気になった様子。
でも私は何か言われそうになったら知らんぷりで通すことにする。…だって一応異世界から来たみたいな事は隠さないと、かなり痛い子だし。中2病患者と間違われても困るし。
今までもなんとか誤魔化して、交わしている状態なんですよね。



とまぁそれは兎も角、合宿初日、なんとか今日1日を終えました。え〜…何かと自分の名前を言う機会がありすぎた日でした。なんかもう色々とお腹いっぱいです。



『はぁ……明日からは何事もなく穏やかに過ごせたらいいな…』

「でもマネージャー業はちゃんと頑張ってもらわないとね」

『はぁい…』


という事で、初日終了です。

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