「ボールコッチに飛んでったろ!当たってねーよな?」

『……あ…頭に…』

「頭に?頭に当たっちまったのか!?悪いっそんなつもりじゃ無かったんだよ。今日調子悪くってよ〜…ってアンタ立海のマネージャーじゃねぇか」



向こうから大声を出しながら走ってきた人は、多分ボールをホームランした張本人であろう桃城武だった。

なんか煩そう…コレは話を早くつけてボール探さないと。



『…あの……ボ、ボール』


「おうっサンキューな。ココに居るってことはアンタもボール探しか?」


『…え…まあ、見ての通りですけど…』


「それなら頭に当てちまった詫びに探すの手伝うぜ!」


『………え〜…マジですか。…練習…』

「大丈夫大丈夫ちょっとぐらい遅くなったて構わねえよ。で、どの辺なんだ?」


『…………この辺…』



あー…なんだ、結構自己中な感じですか、あぁそうですか。
私は一人で探してる方が気を張らなくていいんだけど………いや、探してくれるのは有難いけどね。



ガサガサ…

「ところでアンタって年下?…ん、同い年?アンタ何学年だ?」


『……中3…』


「年上だったかのか!年下かと思ってたぜ!」


『…は…はぁ…』



私ってそんな童顔かな
平凡とは言われなれてるけど…
…てゆーか敬語に直さないんだなこの人。



「お?…あった、見つけたぜ!ホレッ」


ポイッと投げてボールを渡す桃城武。


『!…あ、ありがとうございます』

「良いってことよ!そんじゃ俺は練習に戻っから!またな!」



桃城君って不普段からあんなうるさ…元気なんだろうか…。…あ、そういえば、相田さんがいるかどうか聞いた方が良いかもしれない。


『あ、あの』


「お?なんだ?」


『えっと…そっちに…その、相田さん…来てないですか?』


「相田?……あいだ…あいだ………相田?…ああ、いるいる。もう一人のマネージャーだろ?越前にベッタリくっいて離れねぇんだよその相田って奴」


『(やっぱり居たか…)その人後で迎えに行きますんで、ちょっと引き止めといてもらえませんか。またどっか行かれても困るし』


「了解、了解、じゃあまた後でな!」



桃城…くんは何故か私の頭に手をポンッと置いてからその場を去っていった。

……明らかに年下扱いされてるよ私。年上なのに。とりあえず早く戻って相田さんを迎えに行かないと。私にばっかり仕事まわされたって体が持たないし。


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