『ホントに違うの、ただメーターがMAXを超えただけで、いつも、そんな』
「わかったからもう落ち着け。それにお前が変態なのは前から知っている。そんなに気にするな」
『へ…変態じゃっ!もうっ違うのに!』
午後の練習が始まり、ボール拾い中に私はまださっきの失態を引きずって柳くんにブツブツ言っています。
『ホントにっホントに違うんだってっ』
「しつこいぞ。ちゃんとボール拾いしないか」
『だって…』
パコーンッ
「あぁーっ!!すんませーん!!」
「…ほら、また赤也がホームランしたぞ。取りに行ってこい」
『てゆーかなんでさっきから私ばっかりホームランボール拾いばっかしてるのさ。たまには柳くんが行ってよ』
「俺は赤也の次だから無理だ」
『……わかったよ、行けば良いんでしょ行けば。本当ケチだよね柳くんって。ドケチっ!』
だっ
「逃げたな…」
――――――――――………
ガサ、ガサ…
『も〜ボールないよ……赤也くんのバカっレギュラーのクセにホームランしないでよ〜…もうバカ也って呼んでやる。………いや、でも逆に可愛いからやめとこ』
実はホームランボールを拾いに来たのはこれで四回目なので、いい加減にして欲しい感じなんだけど…まあ赤也くんだからまだ許せる。
でも次したらちょっとイラってするかも。
『…うーん………こっちに飛んでったはずなんだけどな…』
ガサガサ…
あー…もうヤダヤダ。
このくそ暑い日にテニス部のサポートなんてやってらんないね。
相田さんが羨ましいよ、居なくなったってのに幸村くんに怒られないんだもん。
美少女だからってなんでも許されるんだから…。
…ってあれ、そういえば幸村くんって相田さんの事好きなのかな?なんかそのへん全然
わかんないな…
ゴッ
『いだ!!』
いっってぇーーっ頭にボールがっ!…マジで痛い!テニスボール硬っ!!!死ぬっ!
んもーっ!…誰だよホームランしたやつ…赤也くん以外にもホームランするなんてとんだノーコンバカなんじゃないの…。
「おぉーーいっ!!悪ぃ!大丈夫かー!?」
『…!?』
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