『……ベ様はいずこですかぁ……』
氷帝の人達が集まる場所へ来たのは良いけど、近くに寄れない…いや、寄りたくないから離れた所から遠目で跡部さがしてます。
で、かれこれ15分ほど探してるんですが……まぁ見つからない。しかもこの氷帝部員の多さ、レギュラー陣がどの辺かも見えもしない。あの居るだけで目立つ跡部が見つらないなんて…本当にこの中にいるのか?
うーん…かといって誰かに聞くのはちょっと気が引けるし、話しかける勇気がない。
『………どうしよ…』
困ったぞこれは…、このままだとわざわざここまで来た意味が無いじゃないか。
サラッ
『…?』
…………ん?
……なんか後ろから気配がするんだけど。
サラッって…なんか物凄くサラッってしたのが…
「…アンタ」
『っ!!??』
「さっき立海にいた女だろ?」
日吉だぁぁあああ!!!
「?…ここでうろちょろしてると逆に目立つぞ」
『あわわわっ』
サラッってのはお前の髪の毛かっ!!顔近いし!なんでそんな近いんだよ!!
その前に振り返ったら日吉って…いろんな意味で心臓に悪いわっ!!相変わらずキノコのくせに美人だなぁっ羨ましい…てゆーか跡部の居場所教えて下さい!
「…跡部さんなら部長会議があるからってもういないぜ」
『……え』
…ちょっと待った。
私まだ何も言ってないぞ。
エスパーか君は。
「……さっき跡部さんが何たらって聞こえたんだよ」
『あぁ…』
……ってだから、私まだ何も言ってないってば。
読心術でも使えるんですか?それとも霊感ですか?怖いんですけど。
「ちゃんと喋らない割にはわかりやすいなアンタ」
『……はぁ…(どういう意味だそれは)』
なんかちゃんと喋ってないはずなのに会話出来るなんて、楽だけど怖い。
「そういえば立海の柳さんの友人とかいってたな。年上か?」
『…はぁ…まぁ』
「ふーん。…名前は確か…相田…」
『小波』
「あぁ、相田は美人な方か」
『…(平凡顔でわるかったな)』
「まぁ睨まないでくださいよ。で?小波さんはウチの部長に何か用だったんですか」
『…別に……もう後でいい』
てゆーか幸村くんもさ、メニュー決めに跡部が来るって知ってるはずなんだから…一緒について行かせてくれれば良かったじゃん。わざわざ氷帝の場所まで探しに行かせないでくれよ。
ムダな労力使ったじゃないか。
そしてやっぱり氷帝の人と絡んじゃったじゃないか。
まだ日吉一人だけだから少し喋れてるけど……このまま居たら誰か来る気がするから早く退散せねば。
『…じゃあもう用は無いので行きますんで』
「挨拶ぐらいしていかないんですか」
『………別にこの後絡むつもりもないんでしないですけど』
「(何で敬語…)……アンタもしかして人見知りですか?」
『ギクッ………なんのことで?』
「フッ…マジでわかりやすいな。…そーゆう人ってなんか苛めたくなるんですよね、俺」
『…は?』
「丁度良いところに……向日さーん、忍足さーん!ちょっといいですか?」
「なんだなんだ?」
「なんや…今の呼び方明るすぎて気持ち悪いわ日吉」
「失礼な人ですね…忍足さんのクセに」
「クセにてなんやねんコラ」
日吉はその辺にいた向日と忍足を呼び寄せてきた。
やっぱりだよっもう無視して行けば良かった!!
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