柳くんは優しかった。
なにも言わずに4時限目まで教科書を見せてくれた。
あと何故か私に興味があるみたいで、休み時間のたびに何か質問される。


『あの…柳くん…私お昼ご飯…』

「すまない、もう少し時間をくれ」

『…はぁ』


ずっとこんな調子でなんで、他のクラスメート達が気を使って私に話しかけてくれない。
……友達出来なかったらどうしてくれるんだ柳くん…。


『…えっと…あのね、私友達が…出来ないからさ…こんなんじゃ…』


「…友達が欲しいのか?人見知りなのに」


『うっ……はい、まぁ』


痛い所突くな〜…。
人見知りだよ、悪いですか。


「……よし、それなら俺が友達になろう」

『……はい?』


ん?え?…空耳?
今なんか聞こえたよね。
「友達になろう」って…言った…よね?


『…ごめんなさい…今なんか言った?…誰が誰の友達に…?』

「俺が小波の友達になると言ったのだが。何か問題でもあるのか?」

『いや…その…えぇ〜…』


嘘だよね、嘘だと言って柳くん。本気?本気なの?
私みたいな平凡娘と友達になるとか言うなんて…頭大丈夫かしら。もしかして君は柳蓮二じゃなくてニセモノなんじゃないですか?


「面白い反応をするな…。俺と友達はイヤなのか?」

『イヤって言うか…(てゆーか貴方そんなキャラでしたっけ…?)』

「うむ…嫌なら仕方ないな…」


柳くんは凄く残念そうに眉を下げうつ向いてしまった。
なんだよこの人…。
そんなに私と友達になりたいの?てかホントに柳蓮二なの?マジでキャラ違くないっすか?うっかり可愛いって思っちゃったんだけど。


『い、嫌じゃない…よ?ただ…転校初日で最初の友達が男子って変だよなって…』

「変なことはない」

『そ…そう?…でも、私なんかと友達になっていいの?美人でもないし…みため普通だし…面白くないんじゃないかな』

「見た目は関係ないだろう。確かに外見は平凡だが、少なくとも俺はお前を気に入った」

『(気に入ったの!?しかもバッサリ平凡って言った!)…どうして気に入られたのか分かんないけど、と、友達に…うん、なってください』

「うむ、承知した」

(あれ…最終的に私がお願いしちゃった。…何で?)


よくわからないウチに柳くんに気に入られて友達になってしまいました。………あれ、何で?

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