それから色々すっ飛ばして学校。とりあえず転校生恒例のゴタゴタも落ち着いてからの1時限目なんですけど…。
『あ…あの……すみません…』
「なんだ」
『………教科書……あ、いや、何でもないです』
「?…そうか」
なんで隣が柳蓮二!?
同じクラスってだけでもビビったのにまさか隣の席なんてっ!
クソッ横顔も美人だなちくしょー!!
てかお願いだから教科書無いの察して!私転校したてだから教科書もらってないの!
え、もう一人の隣の人に借りろって?
…窓際ですけど何か?
『………っ…(てゆーか柳くん絶対きづいてるよね。なのに無視?何コレ、まさか転校初日からいじめなの?せめて誰か声かけてよ!)』
「………もしかして」
『!!…………え…』
「教科書をもらってないのか?」
『……は…はい…』
「………そうか」
『………はい』
…………どうしてかな…涙出そう…
スッ…ガタッ
『!?』
あれ…柳くんが机くっ付けてきたよ。あ、教科書も出てきたよ。
「…無いなら無いと早く言ってくれれば見せる。君が黙っているからだ」
『…はい…ごめんなさい』
怒られた。
いやでも、少し冷たい言い方だけど優しい人だ柳蓮二。ちゃんと見やすい様に私側に寄せてくれてるし…おぉ…近くで見ても横顔が美しい…。
「いいなー小波さん」
「柳くん優し〜っ」
…なんか気のせいか周りの視線が痛い。
やっぱクラス内でもアイドル的な存在なんだろうか…テニス部は。
「…小波は人見知りか…」
『…え……なに…?』
「…いや、気にするな(天然な確率48%という所か)」
ブツブツ言ってノートに書き出した柳くん
『……?』
もしかしてあれって
データとってんのかな?
私なんかのデータ取っても面白くないのにな…や、私とは限らないけど。
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