《B組》



「よ、小波」


『…丸井くんだ。あれ?古典だったっけ』


「お前それ…この前も同じ事言ったよな。つか古典B組だし移動しなくて良いから楽だろぃ?」


『…あ、そっか。そういえばB組だったね』


「忘れてたのかよ」


そう言って丸井くんは私の隣の席に座った。


『……何で隣に来るの?』


「だってまたあっちに戻んの面倒だろぃ」


『丸井くんが隣だとめっちゃ見られるから嫌なんだよね…もう一つ隣の席に行ってよ』


「なんだそれ。………わかったよ仕方ねぇなぁ」



うーん…丸井くんとか赤也くん辺りは素直だから楽だよな…。柳くんなら隙をついては突っ込んで反論させてくれないものね。



『てゆーかさっきから思ってたんだけどさ…教科書とかは?』


「忘れた」


『即答ですか。………はぁ…仕方ないなぁ見せてあげるから隣の席にくれば?』


「んだよ…結局はそっちにいれば良かったじゃん」


『……ブツブツ言うなら見せてあげない』

「悪かったっ!見せてください!」


『よろしい』



…ってもうこの時点で大分女子の視線が痛い。

……やっぱりさっきの席に戻そうかな。



「お?何々〜君ら仲良いね〜…ってこの子噂の柳くんのお友達さんじゃない?」


『ビクッ……え』


「中原か…お前も古典かよ」


「うん。で?そうなんでしょってば」


「そうそう柳の友達。な?」


『…………』


「あれ?急に喋んなくなっちゃった」



突然見知らぬ女子が後ろから話しかけてきたのでまたまた人見知り発動。

というか振り返った状態から固まってる私である。



「あぁー…コイツな、極度の人見知りなんだよコレ。俺ちゃんと喋れるまで…多分1ヶ月ぐらいかかった」


「ホントにぃ?それは相当だね」


「おーい小波、コレ俺のクラスメート兼ダチ。中原夕陽っつうの」


「コレとか言わないの(怒)」

ベチッ

「イテッ!…んで、こっちは小波晴乃な。柳のダチで最近はテニス部の奴らとも仲いいんだぜぃ」


『ハッ……………ど、ども』


「ども〜っアタシの事は夕陽って呼んでね晴乃ちゃん!」

ガシッ

「!?」


ブンブンッ


私の手をとってちぎれるんじゃないかって云うくらいに振って握手をする中原さん。



『あっあの…あぅっ…な、中原さん…痛いっす!』


ブンッブンッ


「夕陽って呼んでね!!」


『ィッ…イタイ……ゆ、夕陽…ちゃん!』


パッ


「よろしく!」


『…おぉぅ……よろしくです』



な…なんか…ものすごく強引な人だな…でも…ゆ、夕陽ちゃん可愛い。
…うん、可愛いから許す。



「良かったな、念願の女友達出来たじゃん」


『………………え、コレって友達になったの?』


「うん、お友達だよね!ってことでメアド交換しようよ」


『…マジっすか』


「マジっすよ」



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