7月に入り、蒸し暑くなってきた今日この頃、ある休み時間に柳くんが私にとっては不吉な話題を持ってきました。
『………合同…合宿ッスか』
「あぁ…来週から夏休みだろう、全国大会に向けての合宿をするそうだ」
『そうなんだ(何で合同なんだろう)。……………で、なんでそれを私に言うの?』
「またマネージャーを頼みたいからだ」
『やっぱり、そうだと思ったよ。…それで?』
柳くんが言うには、合同合宿する学校は氷帝と青学らしい。
あと、あの相田さんもお手伝いにくると言っているみたいだ。
青学と氷帝か……行ったらまた知ってるキャラだけど知らない人たちと話す機会が増えそうで嫌だな。
「合宿場は氷帝の跡部が、テニスコート付きの場所を貸しきって使わせてくれると言っていたな。バスの手配までするそうだ」
『(うわぁ、さすが跡部様。ハンパねぇ…)貸し切り……それって貸し切る必要あるの?』
「…それは跡部の趣向みたいなものだから仕方がない」
『(趣向って…)そ、そう……でも私夏休み中はダラダラ過ごしたいタイプだしさ…夏休み始まってすぐ夏合宿の手伝いって云うのはちょっとな…。それにまた知らない人だらけだし』
「いつもダラダラしたような学校生活をおくっているお前は、夏休みに入ってもダラダラ過ごすのか。そんな事では大人になってから後悔するぞ。人見知りも早くなおせ」
『……………何で急に説教みたいなこと言い出すの?べ…別に普段はダラダラしてないじゃない。フツーに過ごしてるもん』
「普通過ぎるからダラダラしていると言ってるんだ。テニス部以外の友達が出来たか?出来てないだろ?」
『で、出来てないよ。…わかったっ行けば良いんでしょ行けばっ!』
また柳くんに言いくるめられてしまいました。
…結局は私が行くように仕向けられてんでしょ。
だって幸村くんを呼ぶためのケータイ片手に話してたもの。
もしまた嫌だとか言ってたら、お姉様の餌食だったに決まってるもの。
キーンコーン…
「次は選択授業だぞ」
『はいはい、…選択授業ね……私何受けたっけ』
「小波は古典だ。教室はB組だからな、間違えるなよ」
『まっ間違えないよ!』
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