チュンチュン…


『………うむぅ…………あれ、もう朝?』


今何時…?
7時?

あぁ…それならまだ大丈夫かな…。


『……ん?』


ちょっと待った。なんか天井がいつもと違う…?

不審に思って恐る恐る辺りを見渡す。



『か、家具とかは私のだけど…部屋の構造が違う気が…』



てゆーか明らかにワンルームじゃないか。玄関がすぐそこに見えるよ。狭くはないけど明らかにマンションの一室っぽいんだけど。



『………ま、まさか』



慌てて何か確信を得られるような物を探してみる。

すると机の上に見覚えの無い紙を発見。

ここにこんな紙置いたっけ…?
見るからに怪しいが、とりあえずとって読んでみる。


《アナタはトリップ抽選に当選されました!おめでとうございます!》


『はあ!?トリップ抽選!?』


まさかとは思ったけど、あまりに突然過ぎて失神するかとおもった。
そしてクラクラしてきた頭を抱えながら用紙に目をやると下の欄に説明書き。



『…………当選されたアナタにはアンケート通りの注文が設定されています。それから、小波晴乃様は「テニスの王子様 立海大付属中 三学年」へ編入となります…!?』



なんだって!?
立海大付属だと…!?
しかも中3だって!?

マ、マジか。確かに良く見たら入学手続きが完了してるみたいな紙がもう一枚ある。


『うっ嘘だよ…夢に決まって…』


チラリと視界に制服らしきモノが入る。



『……………立海の制服…?』



いやいやいや、似てるだけだよ絶対。コスプレ用とかだよきっと。だいたいお金も無いのにどうやって一人暮らしすんのさ…飢え死にするってば。


そして注意書きの続きには、私の考えていることを見透かしているかのように。


《制服も御用意させて頂きました。こちらはオプションとなります。それから金銭面に関しましては、高校を卒業されるまで○○銀行の口座に毎月30万ほど預金されますのでご安心ください》



『やった!高校生まで安泰だ!…ってサービス良すぎない?中学生に30万って逆に恐いんですけど。てゆーか私やっぱ中学生なんだよね』



鏡を見てみると中学生の頃の私に戻っている。垢抜けてない平凡な女子中学生って感じた。あ、髪も金に近い茶髪に染めてたのにほぼ黒になってる。



『若返ってるから容姿は戻るって感じなのかな…?』



変更なしって書いたのに…せめて眉毛とか整えとかないと人前に出れない顔だよコレ。中学の私どんだけ美容に関して無頓着だったんだ…。


ため息をはいて落ち着くために頭の中を整理してみる。

今の私は中学生、テニプリの世界、立海に編入してる、一人暮らし、お金はある、たぶんマンションのワンルームに住んでる、

…って私こんなに理解してていいの?トリップ抽選って時点で理解しちゃ行けないよね。



『う〜……とりあえず学校行く準備しなきゃ…ね』



もう吹っ切れるしかないと思い、急いで準備を済ませることにした。

2/112
prevnext
bkm

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -