「晴乃先輩!こんちわッス!」
『…あ…うん。ちわッス』
「?…なんか先輩元気無ぇ。どうかしたんスか?」
お昼休み、今日は柳くんとケンカ(?)中なので一人で寂しく購買のパンを食べる事にした。
それでとりあえず一人になれそうな所はないかと探していたら、赤也くんに出会った。
『うん…ちょっとね』
「ちょっとって…そういえばいつも昼飯柳先輩と食ってんスよね?今日は一人なんスか?」
『…柳くんとは多分ケンカ中。まあ私が一方的に怒ってるだけなんだけど』
「ケンカ?何で?」
『まぁ…アレかな。赤也くんのクラスの相田とかいう女子のせい…ということにしといて』
「相田…?………あぁ、あの転校生か。なんかやたら絡んでくるんスよねぇ…丸井先輩と仁王先輩とか惚れたとか言ってたッスよ。あとジャッカル先輩と柳生先輩と真田副部長まで。幸村部長はまだよく分かんないっすけど」
『………あぁ、そう』
………なんだそれは。
まるで逆ハー補正のついた夢小説の主人公みたいな…
『…赤也くんは好きじゃないの?』
「うーん…俺は別になんとも思わねぇッス。確かに顔は可愛いと思うけど」
『そっか』
赤也くんは好きじゃないのか………柳くんは…
「多分柳先輩もなんとも思ってねぇスよ?」
『柳くんは関係ないし。別に気にしてないもん…』
「へぇ〜…そうッスかぁ」
『何その顔。ホントだからねっ!』
「へぇ〜」
『絶対信じてないよね、その反応』
赤也くんは私たちの関係を何か勘違いしてると思う。
友達だって何回もいってるのに…
「そんなことより先輩一人なら俺も一緒に昼飯食うッス。つかこの前言ってたゲーム持ってきたんスよ、やりません?」
『おっやるやる!私も今日はPSPもってきたんだよねー』
「さっすが!じゃあ今から通信対戦やりましょうよ!」
『うんっ…今日は負けないんだからね!ズルは無しだよ!』
「フフン…望むところッスよ」
なんか、いつも通りな赤也くんのおかげでちょっと元気出た。
…後で柳くんに謝ろ…一方的に怒ってごめんって。
自分勝手かもしれないけど…
やっぱり柳くんと喋れないとモヤモヤするっていうか…うん。とりあえずあの相田って子が悪いって事にしよう。
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