ある夏の暑い日、私は初めてクラスメート以外の女子に話しかけられました。



「ねぇ、アナタが柳先輩と友達ってゆう小波晴乃って人?」



彼女は外見はそれはそれは可愛くて、正に美少女という言葉がお似合いな女の子でした。

けど、先輩って…柳くんに先輩とつけている辺りどう見ても後輩。

………なぜタメ口?



『…は、はぁ…』


「ふーん……なぁんだ別にフツーじゃない。赤也くんがあんまり言うから美少女かと思った」


『………は…?』


……ナンカキコエタヨ。
…幻聴かしら…


「ぷっ…てゆーか平凡すぎっ。寧ろブス?」


『…!!?』



なっなんだこの人!!
全然幻聴なんかじゃなかったっ
しかも毒舌っていうより、何か他の毒が…明らかに私の事下に見てる!
ムカつくんだけど!!!



「まぁこんな人なら別に構う必要もないか。…それじゃあね、先輩」



『………』



可愛く笑って去っていった彼女の後ろ姿をみて、かなり殺意がわいた。

いや…それ以前に私はあの子の言葉で心に深い傷を負ったよ。


『…や、柳くん』


「ん?…どうした、顔色が悪いぞ。また精市に何か言われたのか?」


『………私ってブス…だよね。うん、わかってる…だからって面と向かって言うこと無いと思わない?』


「……は?何の話だ?」


意味が分からないと言いたそうな柳くんにさっきの出来事を話した。


「あぁ、それは多分…1週間くらい前に赤也のクラスに転校してきた相田美姫(あいだ みき)だな。最近テニス部にやたら絡んでくる。昨日もマネージャーになりたいと騒いでいた」


『…そうですか。……私、あの子の言葉で心閉ざしちゃいそうなんだけど。てゆーか引きこもりたい』


「引きこもってどうするつもりだ。…そんな事は気にするな。それとお前はブスではない普通だ」


『……っ…!』


柳くんの追い撃ちをかけるような言葉に涙が出そうになった。


『…っフォローになってないよ!もうっ!』


柳くんまであんなこと言うし!
どうしよう、マジで泣きたいんだけどっ


「すまん。つい本音が」


『っ…柳くんのバカァッ!!友達なんかやめてやる!バーカバーカ!!(泣)』

だっ



「……少し言い過ぎたか…?」


泣きながら走り去る小波を少し後悔しながら見つめる柳だった。


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