『…そろそろあっちの方に行かないとダメかな…』
「行ってないのか」
『だって一人で行きたくないんだもん。赤也くんはもう行っちゃったし』
「……仕方ない。まだ試合まで時間があるからついて行ってやらないでもない。そのかわり…データ収集に忙しいからな、俺は」
『またツンデレですか。……まぁついてきてくれるなら良いや』
「ツンデレじゃない」
『ツンデレだよ』
「違う」
『…なんでそんなにツンデレがイヤなの?…ってちょっと待ってよ!無視なのっ?』
私の質問を無視して先に行こうとする柳くんに急いで着いていった。
そして再び青学サイド。
柳くんは真っ先に乾の所に行った。
「貞治」
「蓮二。久しぶりだな…」
「あぁ」
「…マネージャーの仕事探し、といった所か。それと人見知りのマネージャーに仕方なく付いてきた、そんな顔をしている」
「さすがだな、貞治。…小波が人見知りなのを把握していたか」
「噂でな…。お前に女友達が出来たと聞いた時から少し興味が湧いてな。珍しい事もあるものだ」
「フッ…」
『(いきなりなんか訳分かんない事言ってるよこの二人…)………え〜…っと…柳くん』
「あぁ。それで、コイツの仕事はあるのか?」
「そうだな……今の所は無い。………あーいや越前を…今試合中の桃城の後なのだが、壁打ちに行ってからまだ帰って来ていないんだ。探してきて貰えないか?」
『越前…』
「そういえば小波は越前を知らなかったな。どうする」
『…あー…どうしよう(知ってるんだけど)』
「確か英二がこの前携帯で…」
「なになに?俺の噂かにゃ?」
「英二、丁度よかった。この前越前達を撮っていただろう。その写真をマネージャーの小波さんにみせてやってくれないか?」
「んー?なんか良くわかんないけどわかったよん」
菊丸が景気よくケータイの写メを見せた。
そこに写ってるのは紛れもなく越前リョーマ。おぉ…主人公オーラめっちゃ出てるよ。
コレってタカさんの寿司屋だよね…スゲーホンモノだ。
あ、後ろに不二と海堂が写ってる…この手だけのは大石?
てゆーか思ったんだけど…中学生が普通にケータイ持ってるっておかしいと思うんだけど。
…私の考えが古いのかな…でもやっぱり高校生になるまではガマンするモンじゃないの?それとも私の考えがおかしいのか?…ってもう訳わからん。何言ってんだ私…
「この手前の男子なんだが、大丈夫かい?」
『…あ、はい。大丈夫です(てゆーか知ってるし)』
「それでは頼む。…蓮二もついていかないのか?」
「俺はデータ収集に忙しい。それに小波はなんだかんだでちゃんと仕事もこなすから大丈夫だ」
「それなら良いんだが…」
『ちょっとツンだ。…どうせ後でデレ来るんでしょ?わかってるよ』
「ツンもデレ無い。良いから早く行けマネージャー」
『最近ほんっと冷たいよね。いい加減泣くよ?私』
ブツブツ言いながらその場を離れて越前リョーマ探しに行く。
「……本当に人見知りなんだな。俺と一言しか話さなかったし目も合わせなかったぞ」
「…あれでも頑張った方だ。最初の頃はもっと酷かった」
「あの子人見知りなのかにゃあ?」
「うむ…どちらかと言うと人間不審だな。ちゃんと喋れるようになるまで1週間は必要だろう」
「それは相当だな…。3日会わなかったら元に戻るんじゃないか?」
「…どうだろうな。まだ3日会わないという日が無いから分からんな」
「なるほど…興味深い。…お前も退屈しないだろう」
「立海に入れば退屈はしない。…だが確かにそうだな。意外とアイツは謎が多いからな、それを調べる楽しみが増えた…という所か」
「そうか、それは何よりだな」
「なぁんか2人って、いっつも意味分かんない話するよなぁ。人見知りの話じゃないの?」
「気にするな。それより英二もそろそろだろ、アップしないか」
「さっきしたもんねー」
「俺は少し偵察してからあっちに戻ろう」
「そうか、…まぁ頑張れとでも言っておこう」
「フッ……ああ」
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