ある日の柳くんとの会話。
「今度の日曜の試合、見に来ないか?」
『え、イヤ』
「……何故だ」
『…だって、人いっぱいいるでしょ…(しかも試合なんか見に行ったらテニプリの聖地じゃないか。本物見たいけど関わりたくない)』
「練習試合だから部員と監督ぐらいしかいない」
『………何処と試合するの?』
「青学だ」
『(やっぱそう来たか)…行かない』
「…何故だ」
『…そんな悲しそうな顔したって行ってあげないよ』
ちくしょう、最近柳くんが私に色目を使ってくる。
正直にゃんこみたいに可愛すぎてどうにかしてやりたくなる気持ちがあるが、そこは何とか理性を保って平静を装う。
……大丈夫、変態じゃないよ。
ただのヲタ精神の発作だから。
…だけど、…うーん…そっかぁ…試合かぁ
見には行きたい、でも行けば絡みが無い訳じゃないよきっとさ。
絶対やな予感しかしないもん。
「因みにその日1日だけマネージャーをやって欲しいのだが」
『だから行かないって………なんて?』
「…だから、1日マネージャーをやってくれないか?」
『はい?何で?』
「青学もマネージャーが居ないからお前が手伝ってくれたら助かる」
『……絶対行かない』
「………………仕方ないな」
ため息をはいたあと、柳くんはケータイを取り出して誰かに電話をかけ始めた。
「………あぁ俺だ、精市………小波が嫌だと言ってきかない。………あぁ……そうだな、わかった。頼む」
ピッ
『……な…何で幸村くんに電話したの?』
「説得するように頼んだだけだ」
『せ…説得って(今の会話でどこにそうなる要素が…?前もって打ち合わせしてたなコイツら)……柳くんさ、私が幸村くんに逆らえないの知っててやったでしょ?』
「フッ…どうだろうな?」
『うーっ……鬼畜っ悪魔っ柳くんなんか嫌い!泣いてやる!』
「…俺にはお前がそこまで嫌がる理由が分からん」
という訳で、その後私は幸村お姉様に逆らえるはずもなく…
心をずたぼろにされ、泣く泣く1日マネージャーを引き受ける事になりました。
「来なかったらどうなるかわかってるよね?」
『…ずずっ…ぅ…はい、絶対行きますお姉様…ひっく…』
「…少々やりすぎではないか?」
「フフフ…いつもの事だよ」
「……そうか」
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