そろそろ今日の午前中班は休憩の時間だろう。
私は赤也くんが来たら休憩と言ってあるのでまだだけど、とりあえず早く来てくれ。もう疲れたよ私は。
「やほーお疲れっ晴乃ちゃん!」
『あ、夕陽ちゃん。来てくれたんだね』
「うん。ちょっとギリギリになっちゃったけど、晴乃ちゃんが休憩に入るまでには来ておこうと思って」
『そかそか。じゃあ好きな席に座っててね。注文が決まったら私の事呼んで』
「はーい」
夕陽ちゃんを席に案内して、注文を待つ。
「そういえば晴乃ちゃんは切原くんと廻るんだっけ。柳くんは…あれ?もう居ないの?」
『うん、なんか色々忙しいみたいだよ。休憩になったらすぐどっか行っちゃった』
「もう、なんで晴乃ちゃんってば柳くんじゃなくて切原くんなの?そこはいつもの感じで柳くんと行くべきでしょーっ」
『えー…だって本当は夕陽ちゃんとか若菜ちゃんと行こうかなって思ってたんだけど、赤也くんが一緒に廻ってくれなきゃ劇に出ないって言うし…柳くんは誘った所で絶対バッサリ断るでしょ?』
「……まぁそうかもしれないけど。私は、結局どっちが好きなのかなって気になるからさぁ」
『だからね、別に好きとかそういうのはないんだってば』
「うーん…なんだかなぁ。私最近思うんだけど、切原くんには悪いけど晴乃ちゃんは柳くんと付き合うべきなんじゃなかなって」
『あーはいはい、そういう話はもう良いから。注文どうぞ』
「もーっ!ちゃんと聞いてよー」
その後もブツブツと柳くんと私はどうしたらいいとか、鈍感だからもっと気がづくべきだとか言ってたけどとりあえず聞き流す。
そうこうしてる内に赤也くんも来て、約束通り一品タダにしてあげる。
『はい、和風パフェです。どうぞ』
「サンキュー先輩!パフェがタダで食えるなんてマジでラッキーッスよね俺!」
『こら赤也くんっしーっ!タダにしたこと他の人には内緒だからねっ』
「はぁい。すんませーん」
「…切原くん」
「はっ!…中原先輩にはあげねえッスよ。コレは晴乃先輩が俺だけ特別にタダにしてくれたんスからねっ」
「(コイツ本当に気があるのバレバレじゃないの。なんで晴乃ちゃんは気づかない)別にいらないわよ。そんな続けて甘いの食べたら太るし。…ってそんなことはどうでも良くて、君さ、空気読みなさい」
「は?何の話しッスか」
「文化祭っていったらカップルが湧くお祭りよ?だから、ここで君が割り込んできたら柳くんだって遠慮して晴乃ちゃんを」
『はいはい、いい加減自分の教室戻らないと怒られるよー。もう午後の担当始まってるよー』
「ちょっと晴乃ちゃんっ!私この子にまだ話しておかないといけないことがあるのにっ」
『後で丸井くん達見に夕陽ちゃんのクラスに行くからさ、その時にまた話聞くから。ね?』
「……………わかった」
本当にこの子は恋話が好きだよねぇ…。なんでもかんでもそういう話に結び付けるんだから。
私は、夕陽ちゃんをお会計に連れて行き、払い終えたら背中を押して無理やりバイバイする。
戻り際の顔はまだ不満だらけで何か言いたげな感じだったけど、仕方なく帰って行ったみたいだ。
「何スかあの人。言ってる意味がイマイチわかんなかったんすけど」
『あー…うん。赤也くんは別に気にしなくて良いの』
ということで、赤也くんも来たので今から午後は自由時間です。
正直人が多い所に行きたくないんですが、テニス部の人達を見に行くために頑張ろうと思います。
next.
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