〈テニスコート〉



ざわざわ…


「ねー何あれー」
「あれって男子?」
「女子じゃない?結構小さいよ」
「でもユニフォーム着てるし…」
「1年が見学しにきてるのかも」
「えーっ?」




連れられて来たテニスコートで、私はとりあえずと言われ柳くんの2年の時のユニフォームを着せられ見学。

全体的に大きいけど上着まで羽織った。なんか帽子まで借りた(かぶってる所見たこと無いけど持ってた)。
…なんかめっちゃ柳くんの匂いがする。ムラムラする。
…や、変態じゃないです断じて。

とまぁこんな格好だし…周りのファンには私が女だと、一応気付かれてないみたいだ。



『…女子だってバレるよりはましだよね…』

「逃げるなよ」

『…一々うるさいよなぁ…柳くんって。本当お母さんみたい』

「…何か言ったか?」

『(ビクッ)な、何も言ってないです』



ちょっ今ちょっと開眼したよ!
恐いっ柳くん恐いっ!!



「蓮二!早く練習に参加せんかっ」

「すまん。…言っておくが彼女ではない」

「なっ何で言おうと思った事を…」

「弦一郎はすぐ顔に出るからな」

「そ、そうか??」


『…(たぶん柳くんしか分かんないと思うけど)』



2人のやりとりに心の中でツッコミを入れから、改めてコート内を見渡す。
やってるなぁ…テニス…。
正直テニスのルールっていまいち分からないけど、漫画でのこの人達見てるとホントに中学生かよって云うくらい上手いと思う。てゆーか人間技じゃないもの、あれ。スマッシュの時とかもスゴいよね。人間ってあんな高くとべんの?絶対あれバレー選手より飛んでるよね。そう考えたら氷帝の向日はもう人間じゃないね。…てゆーかテニスで必殺技ある時点でおかしくね?普通のテニスしろ。

なんか頭の中で色々考えていたら、急に目の前に仁王が現れて私の顔を覗き込んできた。



「お前さん、参謀と友達ってホントなんか?」

『わっ!?(出た!)』

「それともただのファンか?」
ずいっ
『!?』


ちけえええっ!!顔近いっつーの!
ビビるわこのやろー!


「なぁんかフツーじゃの……美人なら喰えたんじゃが…平凡すぎるぜよ」

『なっ…!?』


なんだこいつ失礼ー!!
この人柳くんより失礼なんだけど!
しかも喰うってなんだ!!


「仁王くん、失礼ですよ。女性に対してその言い方はないと思います」

「柳生…聞いとったんか。いやぁの、ただ参謀の趣味がこんなフツーな女とは思わんくて」

「彼女ではないと言っていたではありませんか」

「あぁそうっだったか」


『…(仁王とは絶対友達になりたくないな)』


「…しかも無視しよるぜよ。目も合わそうとしないナリ」

「それは彼女が人見知りだからでは?」

「おぉ」


『…(そんなのどうでも良いから、もうあっち行ってくんないかな)』



目の前で言い合う二人を横目で見ながらとりあえず柳くんの助けを待った。

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