と云うことで、今日のホームルームは文化祭についてでした。
ウチの出し物は、甘味処みたいです。…なんで甘味処なんだろ。柳くんの和風な感じにちなんだんだろうか。…ってことはつまり、柳くんがメインのお店…?



「そんなわけ無いだろ」

『ちょっ勝手に心読まないで。でもさでもさ、甘味処だし…柳くん和服着るよね?』

「さぁな。会計を任されたからな、一応着させられるのではないか?」

『やっべまじかよ。当日はカメラ持参しなきゃ』

「…撮るなよ」

「いやだ。ついでにテニス部全員撮って家宝にする」

「やめろ」
べしっ!
『あうっ!?…ま、まさかの平手打ち…冗談なのに…』

「優しく叩いたから別に痛くないだろ」

『…いや、まぁ痛くなかったけどさ。流石にビックリしたわ』


只今昼ごはん中です。いつも通り屋上なんですが…今日は2人ではなく、なんと、若菜ちゃんがいます。


「あははっ2人ともやっぱ仲良いねー。なんかごめんね、着いて来ちゃって…お邪魔だよね」

『ん?なんで謝るの?別に邪魔なんかじゃないよ。全然気にしないで』

「そうだ。気にするな」

「そう?2人が良いならいいんだけど…。でもあれだね、屋上ってあんまり来たこと無かったから気づかなかったけど、意外と昼間はあんまり人来ないんだ。それに園庭眺めながらとか何か優雅な感じ」

『だよねー。幸村くんが育ててるだけあって整ってて綺麗だし』

「うんうん、さすが幸村くんだよねー」



といってもまぁ普段と特に変わらず、まったりと昼食中です。
あ、そうだ。さっきの文化祭の事きいてみよ。



『あのさ、柳くん。さっき夕陽ちゃんから聞いたんだけどさ、去年の海原祭の劇にテニス部で出たんだってね。どんな内容だったの?』

「あぁ…シンデレラだ」

『へー、何だ。話題になったっていうからどんな珍しい事したのかと思えば、ありきたりだね』

「シナリオまで考えるのが面倒だと言うのでな、精市が」

『ごめんなさい。ありきたりとか言ってすみませんでした。許してお姉様』

「でも結構面白かったよ?シンデレラが切原くんで、王子様が真田くんで、クライマックスでの二人の掛け合いがおもしろくって会場なんか大爆笑だったもの。でも私的に王子様は仁王くんか幸村くんのほうが良かったかもなーなんて…。あ、仁王くんならシンデレラも魔女もいけそうな…むしろ私がシンデレラになって仁王くんはお姉さん役で罵ってもらうってのも…」

『(なんだか話がそれてきてる…)大爆笑、ね。シンデレラにギャグ要素ってあったっけ?』

「西条の話はスルーか。台本にはギャグ要素なんてものはいっさい無かったんだが、赤也が最後まで役をやりたくないと足掻いてな」

『いや、今ので若菜ちゃんが仁王くんファンだって気づいちゃったからさ…。シンデレラやりたくなかったんだ赤也くん。それで今年も何かするの?』

「どうだろうな。精市は気まぐれだから突然やると言い出すかもしれない。が、それを本当にやるとも限らない」

『まあ、そうだよね…』



そして、柳くんなら多分知ってるだろうなと思って、他のみんなのところは何するのか聞いてみた。そしたらまぁ、やっぱり知ってました。
幸村くんのクラスはお化け屋敷。真田くん柳生くんのクラスは…め、メイド喫茶…おぉう…。で、仁王くん丸井くんのクラスはさっきの通りホストクラブ。ジャッカルくんのクラスは焼きそばの屋台とお好み焼きの屋台をするんだとか。あと赤也くんの所はまだ決まってないらしい。


『そっか。…でもさ、みんなクラスの出し物あるのに、もしテニス部で劇までするとかなったら大変なんじゃない?』

「当たり前だろう。それでも去年はやったんだ」

『そう…』

「…そういえば今年は、他校のテニス部も招待すると言っていたな」

『へぇー、そうなんだ。青学とか氷帝とか呼ぶの?』

「あぁ。四天王寺、不動峰、ルドルフ学園、六角中、比嘉中も呼ぶらしいが…全員来るかはまだ聞いてないな。特に比嘉中は来ない確率の方が高い」

『うへぇ…マジっすか。私テニス部に関係ないから、紹介的なの全くしなくて良いからね。てゆーか絶対しないで』

「どうしてそんなに嫌がるんだ…」

『だって嫌なんだもん。怖い』


海原祭は楽しみは楽しみなんだけど…。よくよく考えると中高大合同だから人いっぱいくるにきまってるんだよな…。
接客は仕事だからとりあえず良いけど、外に出たら大量の人だらけだ。そう考えてしまうと教室から出たくないかも。

……よし、当日はなるべく教室出ないようにして程よく楽しもうと思います。



『だから、もし他校の人来たら空気になるからね。話しかけるとか絶対無しね。後、トイレ以外で教室の外にでないから。人多そうだし』

「…お前は本当に全く進歩しないな。精市に言いつけるぞ」

『ちょっそこで幸村くんとかっ。ごめんなさいっ、せめて挨拶だけはするよう努力するからそれだけはやめてください!』

「……仕方ないな。挨拶だけはしっかりやってくれ」

『…はぁい』



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