柳くんに言われた。
「部活見に来ないつもりだっただろう」と。
帰りのLHRが終わってさっさと帰ろうとしていた私を、勘の鋭い柳くんは逃がさなかった。
『…………そんなに来て欲しいんですか』
「小波は人見知りを直す必要がある。ああ見えてテニス部の奴らは一部を除けばかなり社交的だったりする」
『(社交的って…ブン太と赤也とぐらいじゃないかな…あとジャッカル)…そうですか。けど私もう男子の友達はいらないかな』
「何?もう俺がいるから良いと?まさかお前俺の事が…」
『……ごめん無理』←引いた
「冗談も通じないのか。それくらいわかっている」
『あぁなんだ冗談か…』
てかやっぱ柳くんキャラ違うよね。冗談とか言うようなキャラだったっけ?
「とにかく来い。この際男でもいいから友人を作れ」
ガシッと手首を捕まれて廊下側へと引っ張られる
『や、ちょっ!引っ張んないで!無理だってば!しかもテニス部とかマジ無理!只でさえ今も女子のクラスメートから鋭い目で見られてんのに!いじめられるっ!』
「無理無理言うな。それは気のせいだ」
『気のせいじゃないーっ!テニス部なめんなー!』
「それは俺のセリフだ。…なにがそんなに嫌なんだ」
結局私はその廊下を通った生徒に好奇の目で見られながら柳くんに引きずられ、テニスコートへと向かうのだった。
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