「それじゃあ、コレで終わりですね。…あっ小波先輩に伝えといてください、今まで意地悪してすみませんでしたって」
「…あぁ、わかった」
「ありがとうございました。バイバイ先輩」
相田さんは満足そうに笑って去っていた。…最後まで良く分からない子だったな…あの子。
「お疲れ様、蓮二」
「精市…」
「良く耐えましたね柳先輩。さすがッス」
「…そうか?」
「ホント良く耐えたよ。寧ろ私が殴ってやろうかと思ったね。てか、もしかしてファーストキスだった?」
「その話はやめてくれ。あれは悪夢だったんだ」
『悪夢って…いくらなんでも相田さんに失礼…。まあ、とりあえずお疲れ様だね』
「あぁ」
ということで、やっとこの件は終わり。…明日から平穏な生活が戻ってくるんだ。もう本当に、良かった…みんなのおかげだ…。私1人だったら絶対、うじうじグダグダやられっぱなしだっただろうな。もっと早く言っておくべきだった。こんなに気持ちが楽になるなんて思いもしなかった。
『ありがとう、柳くん』
「……いや、お前も頑張ったと俺は思うぞ。…ただ空回りし過ぎたな。もっと早く相談しておけばこんなに面倒な事にはならなかった確率95%」
『そ、そんなにっすか。…一応自覚はしてるよ。本当にごめん』
「…謝る必要はない。俺達は当たり前の事をしたまでだ」
『…うん。みんなも、本当にありがとね。私のせいで迷惑かけちゃって』
「何言ってんのっ!柳くんの言う通り、友達なら当たり前っ」
「そうッスよ。迷惑なんてかけてなんぼなんスから、先輩は気にしなくても良いんですって」
『夕陽ちゃん…赤也くん…』
「まあ、晴乃を苛めようと考える奴なんて僻んでるだけだし気にするだけ無駄だよね。てゆーか俺だけが苛めて良いんだから、そんな奴ら潰すに決まってるけど」
『………なんでかな、嬉しいような嬉しくないようなこの気持ち。結局は幸村くんに苛められるのか私は。…あ、ヤバいまた鬱になってきた…泣きたい』
「精市。あまり苛めすぎるのは良くないぞ」
「ふふっ冗談だよ。それにちゃんと飴もあげてるし」
「そういう問題じゃない」
兎にも角にも、終わった事には変わりはない。
みんなと別れたあとも、いつもより気分良く自宅へと帰宅したのでした。
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